作詞のコツ:プロの作詞家から学ぶ、初心者でもできる作詞の仕方

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私は、学生時代に音楽活動を始めました。そして、歌と楽器だけではなく、作詞も自分で行いたいと思いました。

しかし、作詞をした経験が全くなかったので、どうすれば良いのか見当もつきませんでした。

そこで、書店で何冊かプロの作詞家さんが出版している本を購入して勉強しました。そして、それを実際の作詞活動に落とし込んでいくなかで、たくさんのコツを掴みました。

この記事では、私が学んだ作詞のコツを、初心者でも分かるような形でシェアしたいと思います。

この記事の内容を、以下の動画でも話しました。中央の再生ボタンを押してご覧ください。

共感される作詞をする最大のポイント

あなたにも、心の底から共感できる詞があると思います。アーティストの詞に対して「その気持ち、わかる~!」「そうそう!そうなんだよ!」と思うとき、すっかりその人のファンになってしまいます。

それでは、このような詞を書くにはどうすれば良いのでしょうか。そのコツは、「聴く人の心情や意見を代弁する」ことです。つまり、リスナーが思っていることを、代わりにあなたが詞にしてあげるのです。

特に、リスナーが普段の生活では言えないことを詞にすることで、リスナーは一気にあなたのファンになります。

「思っていても言えないこと」というのは、たくさんあります。例えば、好きな人に思いを伝えることもそうです。あるいは、先輩や上司への不満かもしれません。

そこで、あなたが代わりに「好きだよ」「ふざけるな」と歌ってあげるのです。もちろん、これは一例であり、言葉の選択肢は他にもたくさんあります。

人は、自分が言えない感情を代弁してくれる人を理解者と感じ、一気にファンになります

これは、作詞に限ったことではありません。アーティストであれば、ライブのMCや、普段のSNSやブログでの発信でも「代弁者になること」を心掛けることで、たくさんの人をファンにすることができます。

作詞においてターゲットを決める重要性

作詞でターゲットを決めなければいけない理由

作詞をする際には、まず楽曲のターゲットを決めなければいけません。つまり、楽曲を好きになってほしい人の属性(性別・年齢など)を決めるのです。

ターゲットを決めることで、「その属性の人から共感してもらうにはどんな作詞をすればよいか」という視点で作業ができるようになります。

とはいえ、私自身も以前は「ターゲットなんて決めたくない」と考えていました。なぜなら、ごく一部の人よりも、男女や年齢を問わずたくさんの人に共感してもらいたかったからです。

しかし、「誰からも共感される作詞を」と思えば思うほど、当たり障りのないものになってしまいます。この結果、誰からも共感されないものになってしまいます。

それよりも、「こんな人!」というターゲットを決めてしまうのが良いです。そして、「それ以外の属性の人からは共感されなくてもいい」とまで割り切ることが大切です。

ちなみに、レコード会社で楽曲が制作される際も、まず楽曲のターゲットが決定されます。そして、それに基づいて作詞が行われるのです。

作詞では、どんな人をターゲットにすればいい?

ターゲットの選び方には、「自分と同じ属性の人にする」もしくは「異なる属性の人にする」という2つがあります。

基本的には、自分と同じ属性の人をターゲットにすると良いです。例えば、あなたが30代の女性だとしたら、30代の女性をターゲットにするのです。

自分と同じ属性の人をターゲットにした方が、リスナーの心情が想像しやすいです。なぜなら、自分自身がそうですし、友人や知り合いにもその属性の人が多いからです。

このように、自分と同じような属性の人をターゲットにすることで、共感される作詞がしやすくなります。

逆に、自分と異なる属性の人をターゲットにする場合、これは簡単ではありません。なぜなら、自分と属性の違う人たちの心情は、なかなか分からないからです。

そこで、ターゲットとする属性の人たちと日常的に交流を持ち、彼らが何を考えているのかを把握しておく必要があります。

サビの作詞のポイント

作詞の順番はサビ→Aメロ→Bメロ

それでは、いよいよ実際の作詞に入っていきます。プロの作詞家は、サビ→Aメロ→Bメロという順番で作詞を行います。これに従い、あなたもこの順番で作詞を行うと良いでしょう。

サビの作詞を行う際のコツは、いくつかあります。

覚えやすく、歌いやすく作詞する

サビは、曲の中で最も覚えやすく、印象に残るように作られる部分です。そして、メロディやリズムも極力シンプルに、覚えやすく作られます。このため、作詞もこれに合わせて、出来るだけ覚えやすい言葉で作る必要があります。

また、楽曲によっては、ライブでファンと一緒に全員で合唱するということもあります。このとき、歌いやすいシンプルな作詞をすれば、ライブが盛り上がりやすくなります。

メロディを聴きこんで作詞のアイデアを得る

詞と曲という2つの要素のうち、曲を先に作ることを曲先といいます。そして、楽曲の多くは曲先で作られています。

先にメロディがあり、それに詞を付ける場合は、何十回もそのメロディを聴きこんでください。そして、そのメロディが何を訴えているのかを感じ取るようにしてください。

例えば、そのメロディが「好きだー!」と訴えているように聞こえるかもしれません。あるいは、「俺に構うなー!」と言っているように聞こえるかもしれません。

このように、メロディから発想を得ることで、作詞がしやすくなります。

1番言いたい、伝えたいことを詞にする

サビは、その楽曲が最も感情的に盛り上がる部分です。このため、作詞もそれと連動して、1番強く訴えたいことを持ってくるようにしてください。

そして、サビには「感情」と、その「程度」を持ってくることが王道です。ありがちですが、誰でも「愛してる」「好き」「会いたい」などのサビを耳にしたことがあると思います。これが、「感情」です。

そして、その感情がどれくらいの大きさであるのかという「程度」を歌います。例えば、「好きだよ」ならば、「どれくらい好きなのか」を描く必要があります。「会いたい」のならば、「どれくらい会いたいのか」を描く必要があります。

このとき、感情の程度をとても大きく描く人が多いです。例えば、「地球が壊れるほど」好き、であったり、「君のことを考えない時は1秒もないほど」会いたい、とする人が多いです。

しかし、このように大袈裟であればあるほど良いわけではありません。なぜなら、そこまでの大恋愛や大失恋をする場面は、人生でさほど多くないからです。それによりも、「ちょっとあの人が気になるかも」くらいの感情の方が、日常には溢れています。

サビで歌われている「感情」がありがちなものであったとしても、その「程度」の表現の仕方によってオリジナリティを出すことができます。

Aメロの作詞の仕方

少し音楽理論の話をすると、Aメロはサビと「出だしのコード」や「リズム(8ビート、16ビートなど)」が同じであることが多いです。

このため、Aメロとサビの作詞においては、描かれている場面の「時間」や「場所」を同じくすると、コードやリズムとマッチします。

Aメロでは、サビの感情に至るまでの「きっかけ」を描きます。なお、この「きっかけ」は、「サビ」と同じ時系列のことを描きます。

例えば、サビの内容が「もう耐えられないから別れよう」というものだとします。この場合は、「20時に電話すると約束したのに1時間待っても何の連絡もない」「一緒にテレビを見ているのに笑うタイミングが全く違う」というのが、Aメロの内容として考えられます。

風船に針を刺したら、その瞬間に割れます。これと同じように、サビの感情を爆発させる「針」の役割をした出来事をAメロの内容にしてください。

また、「デートに1時間遅刻しても謝りもしなかった」「何度もお金を借りては返さない」なども、確かに別れようと思ったきっかけであると言えます。しかし、過去の出来事であり、サビの内容と時間や場所がずれています。

このため、Aメロの内容として適切ではありません。

Bメロの作詞の仕方

世の中にある楽曲を注意深く聴いてみると、「Bメロだけ少し雰囲気が変わる」ことに気づくと思います。これは、出だしのコードやリズムがBメロだけ変化するからです。

このため、Bメロは場面や時間を変えると良いです。Aメロとサビが「現在」のことを歌っているのであれば、Bメロでは「過去」や「未来」のことを歌っても良いでしょう。

このことで、メロディやリズムの変化と、詞の変化がマッチするようになります。

おわりに:作詞のコツ

ここまで述べたように、作詞にはさまざまなコツやポイントが存在します。特に、メロディやリズムなどと作詞をリンクさせるという考え方が重要です。

この記事が、あなたの作詞に役立つことを願っています。

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