友達はなぜライブに来てくれるのか

一般のお客さんを呼べなくても、友達なら呼べる理由

友達がライブに来てくれる理由

あなたは「友達はなぜライブに来てくれるのか」を考えたことはあるでしょうか。

活動を始めたばかりのアーティストがライブに人を呼びたいというとき、全く知らない人に声をかけるよりも、自分の友達に声をかけた方が来てくれます。

プロを目指して一生懸命音楽に取り組んでいるアーティストであっても、今まで面識のない全くの純粋なお客さんをライブに呼べるようになるまでには時間がかかります。それと比べれば、ライブに友達を呼ぶことはかなり簡単です。

よってプロを目指す人であっても、ライブ活動の初期におけるお客さんは、友達が中心となります。

よく考えると不思議な存在

「友達だからライブに来てくれるのは当たり前」だと思っている人が多いですが、ライブに来てくれる友達は、よく考えると不思議な存在です。

例えばあなたの初めてライブに来る友達は、あなたの演奏を聴いたことがないのですから、あなたのアーティストとしての実力は分かりません。それなのに、安くないチケット代を払って、わざわざ遠くからライブに来てくれます。

また、あなたがやっている音楽ジャンルや、音楽そのものに全く興味が無い人であっても、「友達だから」という理由で、あなたのライブに来てくれます。

こう考えるとあなたの友達は、あなたの音楽そのものが好きなのではないのかもしれません。それでもお金と時間をかけて、わざわざ遠くからライブに来てくれます。その理由は何なのでしょうか。

「友達がライブに来てくれる理由」を考えると、友達以外のファンを増やす方法が見えてきます。

友達がライブに来てくれる理由

友達が例えあなたの音楽について全く評価していなかったとしても、ライブに来てくれる理由は、【アーティストであるあなたのことが好きだから】です。

友達であるということは、その人は少なくとも絶対にあなたのことを嫌いではありません。むしろ人間として好きだからこそ、友達でいてくれるのです。

そして、彼らがあなたのライブに来てくれるのは、

「●●さん(あなた)に会える」と思うからであり、

「●●さん(あなた)が頑張っている姿を見たい」からであり、

「●●さん(あなた)が頑張っている姿を応援したい」からです。

これらの感情は、あなたの友達が、あなたのことを好きだからこそ生まれる感情です。

例えばあなたがプロサッカーに興味が無くても、友達が所属しているサッカー部の試合になら、興味を持てると思います。

例えばあなたがプロの演劇に興味が無くても、友達が出演する演劇には、興味を持てると思います。

このように、人が人を応援する時は、応援する相手が「何をやるか」ではなく、「誰であるか」が重要です。誰かのことが好きだ、という感情が、人を行動させるのです。

友達以外のファンを獲得する方法

ここまで「友達はなぜライブに来てくれるのか」を考えてきましたが、今度は「友達以外のファンを獲得するにはどうすればいいか」を考えてみてください。

友達は、あなたのことが好きだから、ライブに来て応援してくれます。

ならばこれを応用して、友達以外の人にも、あなたのことを好きになってもらうことができれば良いのです。そうすれば、友達以外の人にも応援してもらえるようになります。

多くのアーティストは、「演奏が上手くなる」「自分の作品を好きになってもらう」努力はしていますが、「人として好きになってもらおう」ということを意識して行動できている人は、ほとんどいません。

しかし、アーティストビジネスでは、あなたが音楽だけではなく、人物としてどれだけ好きになってもらうことができるかが、ファンを増やす上での大きなカギになります。

「会いたい」「応援したい」と思われる人間になる

アーティストビジネスでは、あなた自身が「会いたい」「応援したい」と思われる人間にならなければいけません。

あなたの友達は、あなたに会いたいから、応援したいから、好きだからライブに来てくれるのだから、友達以外に対しても同じ感情を持ってもらわなければなりません。友達以外にも、あなたのことを好きになってもらえば、彼らも必ずライブに来てくれます。

あなたのライブに来てくれる人は、あなたの音楽に触れたいから来てくれるというだけではなく、あなたが好きだから来てくれるのです。

その人のことが好きであれば、その人がやることが何であれ、応援したくなります。

アーティストとファンの距離が近い無所属アーティストのビジネスでは特に、人間としての魅力が音楽以前にとても重要になります。

例えずば抜けた演奏力や作品力が無かったとしても、人として愛され、「会いたい」「応援したい」と思われるアーティストのもとには、必ずたくさんの人が集まるようになります。