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ビジネスで大切な「利益」を正しく理解する

代表:武藤
著者 ムトウ企画:武藤

「売上」と「利益」

ビジネスの目的は、簡単に言えば「お金を稼ぐこと」となります。アーティストであれば、作品(音源・CD・DVD・グッズなど)やライブに値段をつけて販売し、お客さんがそれを買ってくれれば、お金を稼ぐことができます。

もう少し難しい言葉を使うと、ビジネスの目的は「利益を出すこと」になります。アーティストとして生きていきたいなら、音楽を通じて利益を稼がなければなりません。

そして、この「利益」と似た言葉として「売上」という言葉があります。

例えば、「株式会社●●の売上高が1兆円を突破」などというニュースを見たことがあると思います。そして、売上高が1兆円を超えたことが、さもものすごいことのように報道されています。

しかし、実際のビジネスでは売上が多くてもそれだけでは意味がありません。ビジネスの目的はお金を稼ぐことなのだから、売り上げが多いことはすごいはずなのに、なぜそうとは言えないのでしょうか。

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売上と利益の違い

ビジネスにおける意味は全く異なる

「売上」と「利益」は、両方とも「儲けたお金の金額」という同じ意味の言葉だと思われていますが、実はビジネスにおいて「売上」と「利益」は意味が全く異なります。

一般の人はもちろん、難しいビジネス書であっても、この2つを混同して使っているものがあります。

しかし、この2つの違いを正しく理解すると、あなたがアーティストビジネスで大切にすべきものが見えてきます。

売上とは

アーティストであるあなたは音楽でお金を稼がなければなりません。

ある時、あなたはライブハウスを借り切ってワンマンライブを行うことにしました。あなたはチケットを5000円に設定し、そのチケットが100枚売れました。

このとき、あなたの手には5000円×100枚=50万円が渡ります。この50万円があなたのライブの売上です。「売上」とは、ビジネスを通じてあなたに入ってくるお金のことです。

経費とは

あなたはライブチケットの売上50万円を手にしました。

しかし、ライブハウスを借りるのにはお金がかかります。また、当日までに練習するためのスタジオ代や電車代、楽器のメンテナンス費用など、準備段階でもいろいろとお金がかかります。

ビジネスを通じて入ってくるお金のことを「売上」と言うのと反対に、ビジネスを通じて出て行くお金のことを「経費」と言います。この例で言えば、ライブハウスのレンタル料や、スタジオ代、電車代、楽器のメンテナンス費用などが「経費」となります。

利益とは

そして、売上から経費を引いたものを「利益」と言います。

利益 = 売上 - 経費

となります。

たとえば、あなたがライブをしてお金を稼ぐ場合、あなたの利益は、

利益= ライブチケット売上 - ライブハウスレンタル費 - 電車代 - スタジオ代 -楽器のメンテナンス代

となります。

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ビジネスで最も重要なのは「利益」

利益の重要性

そして、音楽に限らずあらゆるビジネスで最も重要なのは売上ではなく利益です。

いくらあなたが「5000円のチケットが100枚売れて、50万円儲かった」と喜んでいても、ライブハウスのレンタル代や練習のスタジオ代などの経費が50万円以上かかってしまえば、あなたはライブを通じて食べて行くための1円も稼げないどころか、逆に赤字となってしまいます。

逆に、売上が同じ50万円でも、経費を20万円で抑えられれば、あなたの手元には30万円が利益として残ることになります。個人でビジネスを行う人は売上ではなく利益を得て初めて、ビジネスで得たお金を生活費に使うことができます

1兆円の売上がある企業であっても…

大企業では、先ほどの例のように売上高が1兆円を超えることもあります。しかし、その会社が商品を売る為に必要な開発費や人件費などの経費が1兆円より大きければ、その会社は赤字です。

いくら売上高が1兆円でも、それを得るために1兆円以上のお金を使ってしまっては、会社はどんどん赤字になっていいます。資金が底をつけば、やがて従業員に給料を払えなくなり、倒産してしまいます。

売上は伸ばし、経費は抑える努力が必要

個人アーティストがお金を稼ぐ場合もこれと同じです。ビジネスで大切なのは売上ではなく、そこから経費を引いた後に残る利益です。

利益は売上から経費を引いたものであるため、ビジネスでは売上を上げる努力をし、経費は低く抑える努力をしなければなりません。

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