歌の感情・表現力を豊かにする練習方法とテクニック

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こんにちは。ライブイベント制作者・音楽プロデューサーの武藤です。

tccfmswt

Twitter:@ongakuhint

歌に感情や表現力を込められるようになりたい!と思う人は多いです。

あるいは、「感情が伝わってこない」「歌に表現力がない」と指摘されて、困っている人も多いかもしれませんね。

 

僕は高校生の頃から歌をやっていたのですが、まさにこの悩みを抱えていました。

ボイストレーニングに通うまでは、「自分は歌が上手い」と思っていました。しかし、その教室で自分の歌を録音したものを聴いて、愕然としました。

とにかく平坦な歌声で、感情が全く伝わってこないんですよね。

ライブ会場でのアンケートにも、「表現力がない」って書かれるなど、とにかく困っていました。

 

「感情」「表現力」…。

「どうやったら歌に感情が込められるんだろう」

「どうやったら表現力が身につくんだろう」

その日から、いろいろな本を読み、ライブハウスで出会う歌が上手い人に話を聞くなど、試行錯誤を重ねました。

 

時間はかかりましたが、いくつかのポイントを押さえた結果、ライブのお客さんなどから

「すごく気持ちが伝わってくる歌声ですね」

と言われることも増えました。

 

今ではアーティストさんにアドバイスをさせていただく立場になりましたが、彼らも歌に感情を込められるようになり、表現力も上がったと手ごたえを感じてくれているようです。

すごく嬉しい!

そこで今回は、歌の感情表現を豊かにするための練習法やテクニックを紹介しますね。

 

*この記事の内容を、以下の動画でも話しました。中央の再生ボタンを押してご覧ください。

何度も曲を聴き、歌詞を読んで「込めるべき感情」を理解する

「歌の感情表現」と言っても、「感情」には色々なものがありますよね。

「好き」「嫌い」「嬉しい」「寂しい」「悲しい」…。

感情を表現する練習をする前に、そもそも「どんな感情を表現すれば良いのか」が分からなければいけません。

 

そこで、歌詞カードに場面ごとの「好き」「嫌い」「嬉しい」などの「感情」を書き込んでいきます。そして、それを見ながら練習することで、表現するべき感情を意識できます。

 

なお、表現するべき感情を理解するとき、あなたが歌いたい曲が自作のものなのか、それとも他人が作ったものであるのかによって大きな違いがあります。

あなたが書いた曲であるなら、「この場面は失恋した後の寂しいところ」など、とても感情をイメージしやすいです。

 

しかし、問題は他人が作った曲をカバーする場合です。

その曲にどんな感情が込められているのかは、その曲を作った本人にしか分かりません。

ここで大切なのは、曲を何度も繰り返し聴くことです。そして、歌詞を何度も繰り返し読むことです。

すると、「この場面はこういう感情を表現したいんだな」というのが見えてきます。

もちろん、これに完璧な正解はありません。それは、その曲を作った人だけが知っているからです。

それでも、努力によって、なるべく作り手の感情に近づくことは可能です。

 

ちなみに、アーティスト本人が雑誌やメディアなどで「曲に込めたメッセージ」や「歌詞の意味」を解説している場合があります。

このような情報があれば、より曲に込められた感情がイメージしやすくなります。

新曲が発売されて、「これをカバーしてみたい」と思ったときは、そのアーティストが出ている雑誌やメディアをチェックしてみると良いです。

「歌」と「感情表現」の練習を、分けて別々に行う

僕が歌に感情を表現するためにやっていた練習法は、「歌う練習と感情表現の練習を別々に行う」というものです。

具体的に言うと、いきなり歌う練習はしません。

まずは歌詞に感情を込めて、声に出して「読む」練習をします。このとき、歌うのではなく、ただ声に出して読むというのがポイントです。

そして、これを何度も繰り返した後に、ようやく歌を歌うようにします。

 

当時の僕が、このような練習法を始めたのには理由があります。

「歌う」となると、呼吸や音程など、意識することがたくさんあります。

これと同時に「感情を表現する」ことを意識しようとしても、なかなかうまくいかなかったのです。

特に、僕は1度に2つのことをできない不器用な人間なので…笑

 

しかし、このように別々に練習することで、まずは「感情を表現する」ことだけに意識を集中して練習することができます。

この練習は、お芝居のように大袈裟に気持ちを表現して読むことがポイントです。

特に、実際の経験を思い出しながら読むとうまくいきやすいです。

「会いたい」なら、恋人や好きな人を想像して読んでください。

「悔しい」なら、本気で悔しかった出来事を思い出してください。

 

これを何度も繰り返して、感情を込めて歌詞を読めるようになってください。

これが身についてから、ようやく歌を歌う練習を開始します。

すると、すでに感情を込めるクセがついているので、歌いながらでも表現力が豊かになります。

 

このように、「感情を表現して歌う」ということを、「感情を表現する」と「歌う」に分けて練習するのです。

そして、まずは1つずつを練習します。

それぞれが出来るようになった後で、ようやく2つを一緒に練習するようにします。

歌声だけではなく、「顔の表情」や「動き」などの見た目を意識する

「歌の表現力」「感情を込める」というと、どうしても歌声にばかり意識が行きがちです。

しかし、あるとき当時歌を習っていた先生にこう言われて「ハッ」としました。

 

「歌で感情を伝えるには、見た目が大切」

 

「見た目…?」

一瞬、意味が分かりませんでした。

しかし、これに続く言葉を聞いて、ようやくその意味が分かりました。

 

「お客さんがあなたの歌を聴くときは、目も使っている」

 

そうです。人は演奏を聴くとき、「耳」だけではなく「目」でも見ています。

つまり、歌手の「顔の表情」や「動き」が見られているということです。

 

確かに、CDなどでは表情は伝わりません。

しかし、プロの歌手を目指す人の99%は、人前で歌うことになります。

それは、「目」でも見られる存在になるということです。

 

僕は、ライブハウスでイベント制作の仕事もしています。

アーティストさんの演奏を見ていて、「感情が伝わってくるな」「表現力があるな」という人を見ると、全員歌っているときの表情が豊かです。

悲しい歌詞を歌うときは本当に泣き出しそうな顔をしていますし、楽しい歌詞を歌うときは満面の笑顔です。

 

さらに、顔だけではなく、ステージ上での動きも豊かです。

例えば、楽しい曲を飛び跳ねながら歌って盛り上げる人もいます。あるいは、ステージに膝をついてバラードの悲しみを表現する人もいます。

 

さらに、表情や動きをつけて歌うメリットは、これだけではありません。

なんと、顔の表情や動きを意識することで、あなたも歌う際に感情を込めやすくなるのです。

不思議なことに、泣きそうな顔で歌っていると本当に悲しい気持ちになってきます。

逆に、笑顔で歌っていると本当に楽しい気分になってくるのです。

これは、実際にやってみると本当に分かりますよ。

 

調べてみると、このことには脳科学的な根拠もあるようです。

例えば、人は幸せな気分になると口角が上がって笑顔になります。

しかしこれとは逆に、特に幸せな気分でない時にも、口角を上げることによって幸せな気分になれるのだそうです。

 

ちょっと専門的な話をすると、口角を上げることで「セロトニン」という物質が分泌されます。

そして、脳に「私は幸せ」という信号が伝わります。この結果、本当に幸せな気分に変わります。

なので、仕事などで辛いことがあったら口角を上げるようにしています。笑

ぜひあなたも試してみてください。何となく効果があるような気がしてきます。笑

 

見た目を意識する際のポイントは、すべてを大袈裟に表現することです。

僕もそのタイプなので本当に気持ちが分かるのですが、普段の生活であまり表情豊かでない人ほど、

「こんなに笑顔作ったら、気持ち悪いんじゃないか…」

「いくらバラードだからって、泣きそうな顔しすぎじゃないか」

などと思ってしまいがちです。

 

あるいは、

「いくら楽しい曲だからって、こんなにピョンピョン飛び跳ねていいんだろうか…」

と心配になります。

 

ただ、ステージの上ではあなたのすべてが小さく見えます。

例えば、自分が「100」の表情や動きをしていると思うとき、客席には「10」しか伝わっていないです。

 

逆に、あなたが遠慮がちに表情や動きを作っても、客席にはほとんど伝わりません。

これは、ライブをしてみて、お客さんの反応や自分を撮影した動画を見るとよく分かります。

ですから、表情や動きは大袈裟に作るようにしてください。

息継ぎの場所を適切にするテクニックを意識する

歌を歌うためには、息が必要です。

このため、歌の途中で息継ぎをする必要があります。

しかし、感情が伝わってこないアーティストの歌を聴いていると、息継ぎの場所が適切ではない場合が多いです。

僕も他の人から指摘されて自分の歌を聴いてみたのですが、まさにこの通りでした。

 

例えば、「君を愛している」という歌詞があるとしましょう。

このフレーズの中で息継ぎをする場合、その適切な箇所は

「きみを(息継ぎ)あいしている」

です。

 

このとき、聴こえ方は「きみを・あいしている」になります。このため、「君を愛している」というメッセージが聴き手にしっかりと伝わります。

 

しかし、息継ぎの場所を意識していない場合、

「きみをあ(息継ぎ)いしている」

「きみをあいしてい(息継ぎ)る」

となってしまっている人も多いです。

 

この結果、聴こえ方は「あ・いしている」「あいしてい・る」になります。

声に出して読んでみると分かるのですが、息継ぎの場所で途切れて聴こえます。

これでは、「愛している」に聞こえないのです。

すると、歌に込められた「愛している」という感情表現が薄れてしまいます。

 

一見、歌に感情を表現することと、息継ぎの場所は関係ないように思えますよね。

しかし、息継ぎの場所は、感情を伝える上でとても重要なテクニックです。

感情を表現する言葉が不自然に聴こえないよう、息継ぎの位置を見直してみるようにしてください。

まとめ:歌の感情・表現力を豊かにする練習方法とテクニック

ここまでお話ししたように、歌に感情を込めて、表現力を高める練習法やテクニックには

・何度も曲を聴き歌詞を読むことで、「どんな感情を込めれば良いのか」を理解する

・「歌う」練習と、「感情を込める」練習を別々に行う

・歌声だけではなく、「顔の表情」や「動き」などの見た目を意識する

・息継ぎの場所を適切にする

するという4つがあります。

 

ぜひこれらを意識して、歌の表現力を上げていってください。

僕の記事が役に立てたら、すごく嬉しいです。

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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