僕は、プロを目指すミュージシャンのプロデュースをする仕事をしています。
このとき、これからギターを始める初心者から、よく次のような質問を頂きます。
・ギターを独学で弾けるようになるのは可能ですか?
・独学でも、プロになることはできるのでしょうか?
・独学では限界があったり、無理だったりするのでしょうか?
僕自身、独学も習うのも両方経験しています。
また、独学と教室の両方を経験したバンドのギタリストさんにも、たくさんお会いしてきました。
これらの経験を踏まえ、独学の可能性や、教室で習うのとの違いを解説していきます。
ギターには、エレキギター・アコースティックギター・クラシックギターなど、さまざまな種類があります。
この記事では、どの種類にも当てはまるお話をしていきます。
記事の内容を、動画でも話しました。中央の再生ボタンを押してご覧ください。
もくじ
独学でも無理ではないし、プロになった人もいる
まず、ギターは独学でも上手くなることはできます。
「独学で上手くなるのは無理」ということはありませんので、安心してください。
ギター上達のための書籍や、DVD教材はたくさん売られています。
また、インターネット上には、さまざまな練習方法が無料で公開されています。例えば、YouTubeではギター講師さんがレッスンを動画で公開してくれています。
このため、これらを見ながら自宅で練習をすることで、確実に上手くなることができます。
そして、独学だけでプロのギタリストになった人もいます。
ただし、ここで注意点があります。それは、「独学でもできる」からといって、「教室で習う必要は一切ない」ということではないということです。
教室で習うのには、大きなメリットがあります。
独学と教室で習う、たった1つの違いとは
答えを言ってしまうと、独学と習う違いは「上達スピード」です。そして、教室に通った方が、圧倒的に上達のスピードは上がります。
そもそも、なぜギター教室の経営が成り立つのでしょうか。それは、お金を払ってギターを習いに行く生徒がいるからです。
もし、通った場合も独学と上達速度が変わらないとします。もしそうであれば、誰もわざわざお金を出して通う人はいなくなります。
このことからも、習う方が上達速度が上がることが分かります。
僕も、最初は独学でマスターしようとしました。しかし、教室で習う決断をしたのは、上達のスピードが遅いと感じたからです。
それでは、なぜ習う方が上達スピードが早まるのでしょうか。僕の経験上、これには4つの理由があります。
あなたの目的やジャンル、性格に合った指導が受けられる
全員が同じ手順で練習しても、ギターは上達しません。
あなたがギターを練習する目的や、弾きたい曲やジャンルによって、それぞれベストな練習方法が異なります。
本やDVD、インターネット上に公開されている練習方法は、たくさんの人に見てもらうために用意されているものです。
これは、「あなた」という一人のために作られたものではありません。
教室では、生徒ひとりひとりに合った指導が受けられます。あなたに合った練習方法を教えてくれたり、アドバイスをもらったりすることができます。
これにより、最速で上達していくことが可能になります。
迷いが消え、目の前の練習に集中できる
独学でも、上達のための知識は本やネットで簡単に得られます。しかし、この状況には大きな欠点があります。
それは、情報が多すぎて、どれが正しいのか分からなくなるということです。
例えば、ゼロからギターを始める場合を考えてみます。
最初にやるべきこととして、「コードを覚えましょう」と言う人もいます。
あるいは、「楽譜を読めるようになりましょう」と言う人もいます。また、「フォームを身につけましょう」と言う人もいます。
このように、本やネットの情報は多すぎて、どれが自分に合っているのかが分かりません。
こうなると、練習している間に迷いが生じます。僕も、上達を実感できないときは、「今やっている練習方法で良いのだろうか」と不安で仕方ありませんでした。
しかし、習う先生を一人に決めることで、その迷いは消えます。
僕も、習い始めた後は「先生がこう言っているのだから」と迷いが無くなり、目の前の練習に集中できるようになりました。
このことで、かなり上達のスピードが上がっていったことも覚えています。
自己満足ではなく、演奏を客観的に見てもらえる
ギターに限らず、自分の演奏を100%客観的に聴くことは難しいです。
実際、独学で練習していると「自分はきちんと弾けているのだろうか」と不安になることが多かったです。特に、新しいコードや弾き方に挑戦しているときはなおさらです。
例えば、ある本に「手首の動きはこのような感じです」と書かれているとします。
しかし、その動きが自分にできているのかは、一人だとなかなか分かりません。このような不安があると、練習に集中しにくくなります。
また、自分では弾けているつもりでも、他人から見ると弾けていない箇所というのもあります。
特に初心者のうちは、自分の演奏を客観的に聴くことは難しいです。だからこそ、他人に聴いてもらう必要があります。
そして、上達のための適切なアドバイスをしてもらえます。
ずっと独学でやっていたら、これらのポイントにも気づかないまま自己満足の演奏になってしまっていたのだと思います。習って良かった、と思いましたね。
独学よりも教室の方がモチベーションが維持しやすい
独学の欠点として、モチベーションの維持が難しいことがあります。特に、思うように上達しないときほど、やる気が落ちてしまいます。
僕も、本当に初心者の頃は、「絶対に上手くなるぞ!」というやる気に満ち溢れていました。
しかし、いつしか練習をサボるようになり、ギターに手を伸ばさなくなってしまうことが増えました。
教室に通えば、上達すれば褒めてもらえますし、サボれば注意されます。
また、自宅練習の課題が出されたことも良かったです。学校の宿題のように強制力が働くので、自宅での練習を頑張れるようになりました。
また、「お金を払っている」という事実によっても、モチベーションが上がってきます。
ギターを習い始めると、「毎月何万円も払って教室に通っているのに、自宅で練習しないのはもったいない」という気持ちになってきます。
これにより、自宅での練習に対するモチベーションも上がりました。
さらに、教室によってはグループレッスンや、生徒同士の発表会・交流会があります。ここでは、同じようにギターを上達させたいと考える仲間と出会うこともできます。
僕も、自分よりもギターを上手く弾きこなしている友達の演奏を聴くたびに、練習に気持ちが入りました。
よほど意志の強い人なら、独学でも勝手に練習し続けることができます。
しかし、過去の僕も含め、多くの人はそこまで意志が強くありません。だからこそ、モチベーションが続かず挫折してしまうのです。
このように、教室で習うことは、確実にあなたのモチベーションを高めてくれます。
結論:お金があるなら、なるべく習ったほうがいい
ここまでの内容で、独学よりも習う方が上達が速くなることをご理解いただけたと思います。
僕の結論は、独学でも可能だが、出来れば習った方がいい、というものです。
僕を含め、多くの人の本音は「出来るだけ速く上手くなりたい」というものだと思います。
もしそうなら、速く上手くなった方が楽しいですよね。
本来、10練習すれば10上達するのに、独学だと2や3しか上達しないとしたら、あなたは時間を損していることになります。これは、ものすごくもったいないと思いませんか?
もちろん、お金はどうしてもかかってしまいます。しかし、それを用意できるのであれば、習う価値は十分にあると思います。
この記事が、あなたの参考になれば嬉しいです。
他にも、ギター関連の記事を増やしていくので、そちらも読んでくれたらとても嬉しいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。