音楽活動のヒント>音楽でプロを目指す基礎知識>アーティストとファンを仲介する音楽業界の仕組み
なぜレコード会社や流通業者が必要なのか
アーティストが音楽を届けるのと引き換えに、ファンからお金を受け取るのがアーティストビジネスです。
しかし、実際の音楽業界では、作品がアーティストのもとからファンの手元に届くまでにたくさんの組織を経由します。アーティストの作品を、レコード会社が制作・宣伝し、流通業者によって全国のショップに届けられ、CDショップがそれをお客様に販売するという道のりを経て、ようやく作品がお客様の手元に届きます。
「アーティストが音楽を届け、ファンがお金を支払う」だけで良いのであれば、「アーティスト」と「ファン」という1対1の関係さえあればアーティストビジネスは成立するはずです。
なのに、なぜ音楽業界では「アーティスト」と「ファン」の関係を、レコード会社や流通業者のような、たくさんの組織が仲介するのでしょうか。
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アーティスト個人の限界
音楽活動と引き換えにお金を受け取るアーティストビジネスは、本来はアーティストとファンさえいれば成立します。
しかしアーティストが、身近な人だけではなくより多くの人に音楽を届けようとしたとき、アーティスト個人の限界というものに直面します。
例えば全国でCDを売りたいとします。このとき、アーティスト自らが大量のCDをトラックに積んで運転し、日本中を回り、現地で1枚1枚手売りするのは、とても現実的ではありません。
また、自分の作品を宣伝するためにテレビCMを打ちたい場合、CMを1本打つだけで数百万円が必要です。作品が大ヒットすればその資金は回収できるかもしれませんが、個人で数百万円を用意できる人などほとんど存在しません。
このように、ごく身近な人だけを相手にするではなく、より多くの人を相手にアーティストビジネスを行おうとした場合、全国に向けた宣伝・流通・販売をする必要が生じますが、個人でそれを行うのにはどうしても限界があります。
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アーティストが業界組織の力を借りる
そこで、アーティストが自分だけではとてもできない、全国に向けた宣伝・流通・販売を担うために登場したのが、レコード会社や、流通業者、CDショップという業界組織です。
レコード会社は人員とお金をかけて、作品を宣伝します。流通業者はその名の通り、作品を全国に流通させます。また、CDショップはそれらを店頭に並べ、お客さんに販売する業務を行います。
しかしここで重要なのは、これらの組織はアーティストを応援するボランティアではないということです。当然、仕事をするのと引き換えにお金を取ります。
例えば、メジャーアーティストのCDが1枚売れたとき、アーティスト本人に入るのは売り上げの約1%だけですが、残りの99%はこれら組織に吸収されます。
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音楽業界の仕組み
音楽業界の仕組みは、アーティスト個人だけでは到底できない宣伝・流通・販売を、組織が仕事として担当する代わりに、作品売上の大部分を吸収していくというものです。
アーティストは、レコード会社と契約(=デビュー)すると、この仕組みの中に身を置くことになります。業界組織による宣伝・流通・販売の力を借りられる代わりに、作品売り上げの99%を組織に吸収されます。
例えば、「CD売上のうちアーティストの取り分が1%というのは少なすぎる」という議論はたびたびされます。 しかしそれでも、プロを目指すほとんどのアーティストがデビューすることを選択します。
なぜなら、業界組織の力を借りなければ、大きなスケールでの音楽ビジネスはできないからです。よって、アーティストは売り上げのほとんどを吸収されてでも、デビューして業界組織の力を借りるという道を選ぶのです。
しかし2010年代に入り、今まではどうしても業界組織の力を借りずにはできなかった宣伝・流通・販売が、アーティスト個人でもできる時代がすでに来ていることに、あなたは気づいているでしょうか。
この点については、次回の記事「デビューしなくても音楽で稼げる時代」で詳しく解説しています。
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