ピアノ教室を運営していると、練習してこない生徒っていますよね。
どれだけ熱心に教えても、何も練習しない。教室に来るたびに、前回教えたことは全部忘れていて、同じ練習の繰り返しが永遠に続く...。「自分は何のために教えているのだろう」という虚しさと、ストレスが募りますよね。
今回は、ピアノ教室に来る「練習しない生徒」への正しい対処法をお話しします。さらに、そもそも練習しない生徒の入会を防ぐ方法まで解説します。
もくじ
練習しない生徒に対してやってはいけないこと
まずは、練習しない生徒に対する、NG行動を書いておきます。
「練習しなさい!」と命令する
それは、「練習しなさい!」と命令することです。
人は、他人から命令されることを嫌います。「練習しなさい!」と言われると、押し付けられたような気分になります。そして、もっと練習したくなくなります。
あなたも、親や教師から「勉強しろ」と言われると、余計に勉強したくなくなった記憶があるのはないでしょうか。
生徒も、これと同じです。練習しない生徒は、練習しろと言われるほど、やる気を失っていくのです。
「全部自分が悪い」と責任を背負い込む
生徒が練習しないとき、その責任をすべて自分で背負い込む先生は多いです。僕も講師業をしていて、自分を責めて眠れなくなったことが何度もあります。なので、その気持ちよく理解できます。
しかし、「100%教室が悪い」ということは絶対にあり得ません。
ピアノに対する熱意は、生徒によって個人差があります。あなたの教室にも、練習しない生徒がいる一方で、とてもやる気のある生徒もいるはずです。なので、全部教室のせいというのはあり得ないのです。
「生徒が練習しないのは全部私が悪いんだ」と考えるのは、責任を背負いこみすぎです。「どうしたら練習してくれるだろうか」「私にできることはないだろうか」と考えながら、気軽に工夫を重ねていってください。
損をしていることを生徒に自覚させる
生徒が練習してこないことで、悲しいのはあなただけではありません。生徒自身も、全くピアノが上手くならず、損をしていることになります。
人間は、損をすることを嫌う生き物です。ということは、「自分は損をしている」と生徒自身が自覚すれば、練習するようになる可能性は高いです。
月謝がもったいないと伝える
まずは、練習しないことで、お金の無駄になっているということを伝えましょう。具体的には、次のように話すことが有効です。
このように話すことで、生徒は「自分が毎月の月謝を損している」ということを理解します。そして、練習をするか、教室を自主的に辞めることを選択します。
自宅で過ごす時間を数値化して伝える
自宅で練習しない生徒には、「教室でのレッスンが本番で、家での練習はオマケ」と考えている人がいます。つまり、「ピアノは教室で弾けばいいや」という考え方です。
しかし、レッスンよりも、それ以外の時間の方が圧倒的に長いです。このため、自主的に練習をしなければ、ほとんど上達は見込めません。
そこで、「教室よりも家で過ごす時間の方が圧倒的に長い」ということを、次のように数字で伝えましょう。
1週間は168時間です。週1回・1時間のレッスンを提供しているとします。残りの167時間は、レッスン以外の時間です。
教室にいる1時間だけ練習しても、残りの167時間に何もしなければ、ピアノが上手くならないのは当たり前です。
このように数値化してあげると、生徒は「167時間の方で練習しなければ上手くならないのは当然だ」と考えるようになります。そして、自宅での練習にも身が入るようになります。
命令ではなく、感情を伝える
人は、誰かを悲しませることも嫌います。しかし、生徒からすると、練習しないことがどれだけ先生を悲しませるのかは想像もできません。なぜなら、自分が教える立場になったことがないからです。
そこで、あなたの感情を伝えることが効果的です。「せっかく◯◯さんが上手くなるように一生懸命教えているのに、練習してくれないと、私は悲しい」と伝えるのです。
このように言葉にすることで、生徒はあなたの気持ちをはじめて理解します。そして、「私が練習しないことで先生を悲しませている」ということを理解すれば、それを防ぐように練習するようになります。
生徒に「日報」を提出させる
生徒から、毎日の「日報」を送ってもらうようにします。具体的には、「練習内容」と「感じたこと」を書いてもらい、メールやLINEで送ってもらうようにします。
生徒と話し合った上で、「毎日◯時までに提出する」ということを決めましょう。
練習しない生徒は、日報の期限が来ると「今日は報告することが何もない...」と気づきます。このため、「日報を書くために練習しよう」という意識が働きます。
これにより、生徒が練習を習慣づけるのに役立ちます。翌日でも良いので、日報に返信をしてあげると、さらに生徒のモチベーションが上がります。
ぜひ、試してみてください。
練習しない生徒の入会を防ぐ3つの方法
もちろん、「練習しない生徒にどう対処するか」は大切です。しかし、それ以上に、練習してこない生徒がそもそも入会しないようにすることも大切です。これには、効果的な3つの方法があります。
価格で勝負しない
練習してこない生徒が多い教室は、価格が安い傾向にあります。
ピアノ教室に限らず、価格とお客さんの質は比例します。安い場合、「とりあえず安いからいいや」という人や、あなたに対して敬意が薄い生徒が入塾しやすいです。
そこで、価格を上げるだけで、練習しない生徒が減ります。なぜなら、「ピアノが上手くなりたい」「ぜひこの先生からレッスンを受けたい」という熱意を持っていない限り、高いお金を払うことはないからです。
ただ、月謝を上げるといっても、生徒の反感や退会が怖い場合もあると思います。値上げで失敗しない方法については、以下の記事を参考にしてください。
事前に「練習しない生徒はお断り」と伝える
「練習をしない生徒は入会しないでほしい」ということを、事前に伝えることで、練習しない生徒の入会を防ぐことができます。
例えば、ホームページなどに、次のように明記すると有効です。
「ピアノの上達には、日々の練習が不可欠です。練習しない生徒の指導は、こちらからお断りする場合がございますので、あらかじめご了承ください。」
また、入会の申込書に「練習をしっかりとする」という項目を入れ、チェックをつけてもらうというのも有効です。
このようにするだけで、練習しない生徒が入塾することを防げます。「しっかりと練習しなければレッスンをしてもらえなくなる」という緊張感を与えることができるからです。
インターネットで情報発信をする
練習しない生徒は、「近いから」「安いから」という理由で通っている傾向が強いです。つまり、「絶対にこの先生に教えてもらいたい!」という熱意がないのです。
あなたも、大好きな先生のためなら、必死に練習をしますよね。そこで、「絶対にこの教室に通いたい!」という人だけを集めることができれば、練習しない生徒に悩むことはなくなります。
これには、ブログやYouTube、SNSなどを使って発信をすることが有効です。ピアノの練習方法や、有名曲のカバー演奏、指導に対する思いなどを投稿していきます。
すると、あなたのスキルや人間性に強く惹かれた生徒だけが集まるようになります。彼らは、とても熱心に練習します。
さらに、インターネットでの発信を続けることで、生徒が毎月自動的に申し込みをして来る状況を作ることができます。一度努力を重ねれば、生徒募集に困ることは二度となくなります。
この方法については、具体的に解説した、全15話の無料動画レッスンをプレゼント(準備中)しています。ぜひ、こちらを参考に取り組んでみてくださいね。
まとめ:ピアノ教室で練習しない生徒
今回は、練習しない生徒に対して、教室ができる対処法を解説しました。
練習しない生徒に対しては、命令しないようにしましょう。なぜなら、これは逆効果だからです。それよりも、生徒が自主的に練習をするように仕向けることが大切です。
具体的には、生徒が損をしていることを自覚させる、日報を提出させる、感情を伝えることが有効です。
また、レッスンの価格を上げたり、「練習しない生徒はお断り」と事前に伝えたりすることで、練習しない生徒の入会を防ぐことができます。
この記事を読んでくれたあなたの役に立ちますように。
応援しています!!
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
