僕は2011年からライブ制作の仕事をしてきて、1000組以上のバンドやアーティストを見てきました。
その中で、フライヤー(=ビラ・チラシ)を配る人は多くいます。しかし、ほとんどの人がフライヤーをうまく活用できていません。
その結果、そもそもお客さんから見てもらえていなかったり、ファンが増えなかったり…という状態に陥っています。
言葉は悪いですが、これではフライヤーの製作費をドブに捨てている状態です。
一方で、フライヤーをうまく活用して、ファンを増やしていくバンド・アーティストもいます。
そこで今回は、フライヤーの作り方とデザインのテンプレート、そして効果的な使い方についてお話しします。
もくじ
- フライヤーの見せ方
- フライヤーの成果が出る配り方・見せ方とは?
- フライヤーを配る「目的」を考えると、中身が完成する
- 9割以上のバンドがやっている効果が薄いフライヤーの使い方とは?
- フライヤーではプレゼントと引き換えに連絡先を登録してもらう
- バンドフライヤーを作成するために必要なもの
- 写真撮影やイラスト・ロゴは、可能ならファンに依頼すべき理由
- フライヤーで必ず意識すべき「Fの視点」とは
- フライヤーのデザインテンプレート
- ライブの時にいちばん効果的なフライヤーの渡し方
- フライヤーの注意点:自己満足なフライヤーの落とし穴
- バンドフライヤーが「投資」になっているかを常に検証する
- バンドのフライヤー・ビラ・チラシの作成方法と配り方:まとめ
フライヤーの見せ方
一言で「フライヤー」といっても、それをお客さんに対して見せるためには、さまざまな方法があります。
ひとつひとつ、簡単に紹介していきます。
ライブハウスや路上ライブでお客さんに向けてフライヤーを配布する
あなたのライブを見てくれたお客さんに向けて、フライヤーを配布します。
ライブハウスなら、スタッフさんに頼んで受付で渡してもらうケースが多いです。
路上ライブなら、立ち止まってくれた人たちに手渡しすることになるでしょう。
ライブハウスで、あなたの出演日以外にもフライヤーを配布してもらう
実は、ライブハウスでフライヤーを配布できるのは、あなたの出演日だけではありません。
あなたが出演しない日のイベントでも、受付で配布してもらうことができます。
あらかじめ印刷しておき、ライブハウスのスタッフさんにお願いすると良いでしょう。
さらに、あなたが出演したことがないライブハウスでも、フライヤーを持っていけば配ってもらえることが多いです。
僕が活動をしていた頃は、東京中のライブハウスを回って頼んでいました。
断られたこともありませんし、お金を請求されたこともありません。
ライブハウスによっては、「頑張ってるね!」と、温かい言葉をかけてくれるところもありました。嬉しかったことを覚えています。
ライブハウスにフライヤーを貼ってもらう・置いてもらう
フライヤーの見せ方は、「配る」だけではありません。貼ってもらう、ということもできます。
例えば、ライブハウスの楽屋やトイレには、たくさんのフライヤーが貼ってありますよね。
あれも、スタッフさんにお願いすれば貼ってもらうことができます。
出演したことがあるライブハウスはもちろん、そうでない場所でも、持っていけば貼ってもらうことができます。
また、「ご自由にお持ちください」という形で、置いてもらうということもできます。例えば、ライブハウスの受付やカウンターの近くに、置いてもらえます。
スタジオやレストランにフライヤーを貼ってもらう・置いてもらう
実は、フライヤーを掲示してもらえるのは、ライブハウスだけではありません。
普段バンドが練習するスタジオや、街中のレストランでもそれが可能です。
フライヤーを持っていき、お願いしてみてください。
事前に電話などをして、フライヤーを掲示してもらえるかを確認すると、より確実です。
フライヤーの成果が出る配り方・見せ方とは?
ここまで、お客さんにフライヤーを見せる方法を紹介してきました。それでは、どのやり方が最も効果的なのでしょうか。
僕自身、バンドをやっていた時代も、さまざまなやり方を試しました。
現在も、ライブ制作やプロデュースを通じてたくさんのアーティストと知り合っています。
このなかで、効果的な方法とそうでないものが見えてきました。
まず、分かったのは、「演奏を聴いたことがない人にフライヤーを見せても効果がない」ということです。
例えば、先ほど紹介した方法であれば、
・出演日以外のライブハウスで配布してもらう
・ライブハウスに貼ってもらう・置いてもらうう
・スタジオやレストランに貼ってもらう・置いてもらう
というものが、これに該当します。
確かに、フライヤーであなたのことを知ってもらうことはできるでしょう。
しかし、見た人が何らかのアクションを起こしてもらえることを、ほとんど期待できないのです。
例えば、フライヤーにライブ日程を掲載したとします。
しかし、演奏を聴いたことがない人が、それを見てライブに来てくれることは99.9999%ありません。
あなたにも、想像してほしいです。例えば、ライブハウスのトイレで、知らないバンドのフライヤーを見たとします。
そこにライブ日程が書いてあったとして、いきなり行こうと思うでしょうか?
ほぼ、ないですよね。
よっぽどキャッチコピーが刺さったとか、写真に写ってるメンバーがイケメン(美女)ばかりとか…笑
そんなこともない限り、いきなりライブに行こうとは思わないはずです。
音楽好きなあなたでもそうなのですから、一般のお客さんはなおさらです。
それでは、無料での音源試聴やSNSのURLを案内した場合はどうでしょうか?
これも、よほどキャッチコピーや写真を工夫すれば、見てくれる人が100人に1人はいるかな?というレベルです。
しかし、そのような低い確率のために、時間や交通費をかけてライブハウスやスタジオを回るのは効率が悪すぎます。
特に、今は無料で使えるSNSや動画サイトがありますから、そちらに取り組んだ方が良いです。
昔は僕も同じことをしていましたが、全く効果はありませんでした。
これは、同じような方法を試したことがある僕の知り合いも深く同意してくれているところです。
唯一、フライヤーが効果的な場面があります。
それは、ライブハウスや路上ライブであなたの演奏を聴いてくれたお客さんに配ることです。
これなら、一定の成果を挙げたバンドやミュージシャンはたくさんいます。
このため、フライヤーを配る相手は、あなたの演奏を聴いてくれた人だけに絞ってください。
これで、フライヤーの配り方・見せ方とターゲットが決まりました。
それでは、ここからフライヤーの中身を考えていきましょう。
フライヤーを配る「目的」を考えると、中身が完成する
さあ、いよいよフライヤーに何を掲載するかを考えます。このためには、フライヤーの目的を考える必要があります。
つまり、「なぜフライヤーを配るのか」「見た人にどうしてほしいのか」ということです。
例えば、目的が「ライブの日程を教える」だったら、ライブの日程を書きますよね。
あるいは「メールマガジンに登録してもらう」だったら、メルマガの案内を書くでしょう。
このように、目的を考えてはじめて、フライヤーの中身が完成します。
このため、まずは「何のためのフライヤーなのか」を考えるようにしましょう。
結果が出ないバンドは、この目的があいまいです。考えることを面倒くさがって、「ただなんとなく」フライヤーを作ってしまいます。
このため、見る人が何の反応もしてくれず、ファンも増えません。これは、貴重なお金と時間をドブに捨てることです。
それでは、さっそくフライヤーの目的を考えていくのですが…
しかし、ここで落とし穴があります。
それは、ほとんどのバンドマン・ミュージシャンがフライヤーを使う目的を間違えているということです。
9割以上のバンドがやっている効果が薄いフライヤーの使い方とは?
9割以上のバンドやミュージシャンが、効果の薄いフライヤーの作り方をしてしまっています。
それは、フライヤーを「商品の紹介」に使っているということです。
例えば、ライブの日程を掲載して、そこに来てもらおうとします。あるいは、販売しているCDの情報を掲載して、購入してもらおうとします。
あなたも、同じことをしているかもしれません。
これを聞いて「えっ、フライヤーってそういうものじゃないの?」という反応を示す人も多いことでしょう。
しかし、このやり方で成果を挙げている人をほとんど見たことがありません。
フライヤーで商品を紹介をして売れるとしたら、「すでにファンになっている人」に配った場合だけです。
例えば、あなたのバンドを目当てに来てくれたファンがいたとします。
彼らに対して、フライヤーで商品を紹介すれば、購入してもらえる可能性はあるでしょう。
しかし、あなたのことをそのライブで初めて知った人はどうでしょうか。
あなたの演奏を30分程度聴いたところで、お金を出して商品を買ってくれる人はほとんどいません。
これは、あなたの演奏が下手だからではありません。
時間をかけてライブに行く、お金を出して商品を買うというのは、相当な思い入れがないとしてもらえる行為ではありません。
30分程度という短い時間では、お客さんの気持ちはそこまで高まらないのです。
つまり、お客さんの心理状態は「良いと思うけどお金を出すほどではないなあ」という状態です。
しかし、多くのバンドマン・ミュージシャンは、フライヤーで商品を売ろうとします。こうすると、お客さんは購入してくれません。
よって、せっかくあなたのライブを良いと思ってくれたお客さんとの関係は、その場限りになってしまいます。
したがって、「ライブの評価は高いのにファンは増えない」という、よくある売れないバンドの失敗パターンに陥ってしまうのです。
フライヤーではプレゼントと引き換えに連絡先を登録してもらう
それでは、フライヤーはどの使えばいいのでしょうか。
答えを言ってしまうと、無料のメルマガやLINE@に登録してもらうために活用してください。
つまり、商品を売るのではなく、連絡先を教えてもらうためにフライヤーを使うのです。
具体的には、フライヤーに
「無料のメールマガジン(またはLINE@)に登録してくれたら、今日演奏した6曲の音源を無料でプレゼントします!」
というような内容を書きます。
ここで鍵になるのは、プレゼントです。「えっ、これをタダでもらえるの?」と思われるようなプレゼントをあげてください。
音源というのは一例で、ライブの映像でも良いです。見た目を売りにしているなら、「画像」でも良いでしょう。
「CD」や「グッズ」でも良いですが、コストを抑えるため、形のないデジタルデータがオススメです。
有料でもおかしくないものを、連絡先を教えるだけで無料でもらえる。
すると、ライブを見て気に入ってくれたお客さんは、「無料みたいだし、もらっておこう」と登録してくれます。
この方法を使うことで、「あなたのファン予備軍の連絡先」を淡々と集めていくことができます。
そして、集まった連絡先に対して、さっそくライブ告知を送ろう…というのは、売れないバンドがやることです。
そんなことをすると、あなたのメルマガ(LINE@)はすぐに解除・ブロックされます。
例えば、
・まずは約束通りプレゼントを送る
・その曲に込めたメッセージや、制作秘話を文章にする
・読者から投稿を募って、それにコメントする
こうして、読んでいて楽しいメルマガやLINE@を届けてください。基本的には、読者を楽しませることに重点を置いてください。
そして、たまにライブ告知などをするようにします。
こうするだけで、当サイトの読者さんからも
「ライブをするごとにファンが増えるようになった!」
「今までのフライヤーが間違っていたのがよく分かりました!」
という声を、たくさん頂いています。
これが、ファンが増えるフライヤーの本当の使い方です。
周りの売れないバンドマン・ミュージシャンがやっている、宣伝ばかりのフライヤーのイメージは捨ててください。
彼らは、何の結果も出せていません。
「プレゼントと引き換えに、連絡先を教えてもらう」。フライヤーとは、本来このように使うものです。
バンドフライヤーを作成するために必要なもの
それでは、フライヤーの目的が決まったところで、中身を作っていきます。このとき、必要なものがいくつかあります。
バンド・アーティストの写真またはイラスト
バンド・アーティストとしての写真です。アーティスト写真は、略して「アー写」とも呼ばれます。
写真は、カメラに詳しい友人がいたら、その人に依頼すると良いでしょう。
あるいは、「アーティスト写真」などと検索して、プロの業者を探すと良いでしょう。
このとき撮影してもらった写真は、フライヤーだけではなく
・CDを作成する際のジャケット
・ホームページに掲載する写真
・オーディションに応募する際のプロフィール写真
などにも活用することができます。
このことを考えて、バンドメンバー全員とひとりひとりの
・上半身のアップ
・全身がわかるもの
を撮影しておくと良いです。
また、写真の代わりにアーティストが描かれたイラスト(=絵)を使うという手もあります。
写真と比べ、イラストを使っているバンドは少ないです。このため、見る人の印象に残りやすくなります。
この場合は
・自分で描く
・絵に詳しい知り合いに描いてもらう
のどちらかになるでしょう。
バンド、アーティスト名のロゴ
「ロゴ」とは、バンドやアーティストの名前にあたる文字を、特別にデザインしたものを指します。
ロゴは、写真やイラストよりも重要度は低いです。しかし、あった方が見栄えが良いですよね。
これも、自作したり、身近な友達に頼んでみてください。
また、そのいずれもできない場合は、「ロゴ 作成」などと検索すると、アーティスト名を入れるだけでロゴが完成する無料サービスやアプリが出てきます。
これを活用すれば、1人でも簡単にロゴを作成することができます。
写真撮影やイラスト・ロゴは、可能ならファンに依頼すべき理由
ちなみに、撮影者やイラスト・ロゴを作成する際に、「ファンの中から募る」というのはとても有効です。
これには、2つの理由があります。
まずは、あなたのバンドのイメージ通りのものを用意してくれるからです。
例えば、あなたのバンドを知らない人に依頼したとします。
すると、「良いんだけど、なんかバンドのイメージと違う…」ということになりやすいです。
しかし、ファンにお願いすればどうでしょうか。ファンは、あなたの音楽をよく聴いています。
このため、バンドのイメージに合った写真や、イラスト・ロゴを作成してくれる確率が高いです。
可能であれば、複数のファンから作品を募り、良いものを1つ選ぶと良いでしょう。
もちろん、きちんとお礼もしてあげてくださいね。
また、ファンも「自分の写真(絵・ロゴ)を、好きなバンドがフライヤーに使ってくれた!」ということで、とても喜んでくれます。
ぜひ、試してみてください。
フライヤーで必ず意識すべき「Fの視点」とは
フライヤー・チラシ・ビラなど、紙媒体の広告を作るときに必ず意識しなければならないもの。
それは、「Fの視点」です。
これは、フライヤーを見る人の視線がどう動くかを指したものです。
見る人の視点は、上→真ん中→下の順番で動きます。また、それぞれのパートを左から右へと見ます。
すなわち、見る人の視点は、アルファベットの「F」のような形を描くのです。
これは、企業でチラシやビラに携わったことがある人なら、誰もが知っている法則です。
これを意識した上で、フライヤー必要な要素を散りばめていきます。
フライヤーのデザインテンプレート
「Fの視点」を意識したフライヤーのデザインテンプレートは、以下のような形になります。
ここから、それぞれのパートについて、より詳しく解説していきます。
フライヤーの上部:キャッチコピー・バンド名・写真
フライヤーの上部は、最初に見られるパートです。
ここで興味を引くことができなければ、その先は一切見てもらうことができません。
したがって、どれだけここ以外の内容がすばらしくても、無意味となります。
ここには、バンドのキャッチコピーと写真を入れると良いでしょう。
フライヤーの中部:プロフィール
キャッチコピーと写真の下には、バンドの簡単なプロフィールを書きましょう。フライヤーを配る環境は、ライブハウスや路上になります。
よって、落ち着いて読める環境ではないことが多いです。このため、長々と書いても読まれません。
したがって、短く簡潔にサラッと書きましょう。
ここには、
・生年月日
・出身地
・活動開始時期
・影響を受けたアーティスト
などを書けば良いでしょう。
このとき、フライヤーを見てくれた人に対して「共通点を見つけてもらうこと」を意識して書くといいです。
なぜなら、お客さんはあなたとの共通点を見つけると急に親しみが湧いてくるからです。
例えば、生年月日を書けば「この人、自分と同じ年齢なんだ!」と思ってもらえるかもしれません。
出身地を書けば、「出身同じじゃん!」と思ってもらえるかもしれません。
好きなアーティストを書けば、「私と音楽の好みが似てる!」と思ってもらえるかもしれません。
このような小さな共通点が、あなたのバンドに対して興味を持つキッカケとなります。
「1つでも共通点を見つけてもらう」
ということを念頭に、プロフィールを作成してください。
フライヤー下部:メルマガ・LINE@の登録案内(=CTA)
多くの広告には、見る人に何らかの行動を促す表示があります。
例えば、「資料請求はこちら」「注文はこちら」などと記載があり、問い合わせの電話番号が記載されています。
あるいは、「●●●●で検索」などと、検索を促すものもあります。
これらは、「行動喚起=CTA(Call To Action)」と呼ばれます。つまり、広告を見た人に特定の行動を促しているのです。
これも、フライヤーにおけるとても重要な要素です。
なお、CTAは必ずフライヤーの下部または右下に配置してください。
街中や雑誌の広告を、注意深く観察してみてください。
どの広告を見ても、「●●で検索」「お問い合わせはこちら」などのCTAは右下に掲載されているはずです。
この理由は単純であり、下部または右下に配置することで、見る人がその行動を取ってくれる確率が最も上がるからです。
Fの視点から考えると、下部または右下は、最後に見られるところです。
このため、CTAをそこに配置することで、取ってほしい行動を最後に伝えることができるようになります。
この結果、CTAが印象に強く残り、行動してくれる確率が最も高くなります。
あなたがバンドのフライヤーで促すべき行動は、「メルマガ・LINE@に登録してプレゼントを受け取ってください」ということです。
そこで、まずはプレゼントについて、魅力的に説明しましょう。
例えば、
「今日演奏した全曲を、すべて無料でプレゼント!」
「3000円で発売しているアルバムの11曲を、無料でプレゼント中!」
のような感じです。
そして、どうすれば受け取れるのかを、丁寧に説明しましょう。
例えば…
1:以下のQRコードを読み取るか、以下のLINE IDを入力する
2:「●●バンド 公式」というアカウントを友だち追加する
3:1秒後に、あなたへのプレゼントが届きます
これくらい、丁寧に説明しなければなりません。
説明が雑なばかりに、損をしてしまっているバンドマン・ミュージシャンはたくさんいます。
ここでは、小学生が読んでも理解できるような説明を心掛けてください。
また、メルマガやLINE@に登録してもらう際は、必ず「QRコード」を配置しましょう。
このQRコードを、携帯電話やスマートフォンで読み取ってもらうことで、
・あなたのLINE@アカウント
・あなた宛てのメール送信
をしてもらうことができます。
あなたのLINE@のQRコードは、LINE@のアプリ上で取得することができます。
また、メルマガのQRコードは、以下のページから無料で作成することができます。
→QURL
また、フライヤーのCTAでは、促す行動は必ず一つに絞ってください。
バンドやアーティストの、よくあるダメなフライヤーの例として
「メルマガ登録はこちら!YouTubeはこちら!Twitterフォローしてください!」
のように、複数の行動を促しているものがあります。
しかし、複数の行動を促すと、1つもやってもらえなくなる確率が高まるという研究結果が出ています。
このため、CTAで促す行動は必ず1つに絞らなければいけません。そして、この1つというのが、まさにメルマガやLINE@への登録なのです。
ライブの時にいちばん効果的なフライヤーの渡し方
ここまで、フライヤーの作り方について解説してきました。
ここからは、ライブの時にフライヤーをどのようにお客さんに渡すかを考えます。
フライヤーの渡し方には、以下の3通りの方法があります。
ライブの前に受付の人にフライヤーを渡し、渡してもらう
ライブハウスの受付の人に頼むと、お客さんが入場するときにフライヤーを渡してくれます。
僕が見てきた中でも、この渡し方をしているバンドやアーティストが95%を超えます。
しかし、実はこれ、フライヤーの渡し方として最悪です。なぜなら、他のフライヤーに埋もれて、ほとんど見てもらえないからです。
まず、ほとんどのバンドやアーティストがこの渡し方をしています。
すなわち、共演する他のバンドやアーティストのフライヤーと一緒に手渡されます。
さらに、お客さんが受け取るのは、その日に出演するバンドのフライヤーだけではありません。
他の日に出演するバンドのフライヤーも、同時に配られることがあります。
この結果、あなたのフライヤーは、5枚・10枚・さらにはそれ以上の枚数の紙に埋もれることになります。
すると、見てもらうハードルが非常に高くなります。
自宅のポストに届く、いらないチラシと同じように、ほとんど見られることもなく、まとめてライブハウスのゴミ箱に捨てられているフライヤーの束…
そんな光景をたくさん見てきました。
どんなに気合いの入ったフライヤーを作っても、見てもらえなければ意味はありません。
本当にフライヤーから成果を得たいなら、この渡し方は次のライブからすぐにやめてください。
ライブの出番の前後に直接渡す
ライブ本番の前後に、あなたがお客さんに直接手渡しをする方法です。
前のバンドが演奏を終えてからの時間と、あなたのバンドが演奏を終えてからの時間、この2つが使えます。
このやり方をしているアーティストはほとんどいないため、非常に目立ちます。
そして、「直接フライヤーを渡してくれた人だ」ということで、お客さんの印象に強く残ることができます。
このため、この渡し方は非常にオススメです。
ただし、「初対面のお客さんに声をかける」というハードルを超える必要はあります。
しかし、ここは難しく考える必要はありません。
出演前に渡すなら、
「これから演奏する●●って言います!良かったらフライヤーもらってください!」
出演後に渡すなら
「今日は聴いてくれてありがとうございました!良かったらフライヤーもらってください!」
という感じで声をかければ良いでしょう。
僕も、このような声のかけ方で手配りをしていました。
しかし、受け取りを拒否されることはなく、ほとんどの人がもらってくれました。
僕も、とても人見知りな性格でした。知らないお客さんに話しかけるのは、すごく不安でした。
しかし、1人・2人と話しかけるうちに、拒否されないということがだんだん分かってきます。
こういう経験を積み重ねていくと、「ああ、お客さんに話しかけても良いんだ」ということが実感できるようになります。
すると、だんだん不安なくお客さんに話しかけることができるようになります。
また、出番前に配布をすると、すでに帰ろうとしていたお客さんが「この人は頑張っているみたいだから、見ていこうかな」
と残ってくれるようになる効果もあります。
このように、とてもメリットの多い配布方法ですが、デメリットもあります。
それは、演奏前後の準備や片付けが忙しい場合に、配る時間がないということです。
この場合、
・ボーカルなど、セッティングや片付けが少ないメンバーが配る
・友達やバンドのスタッフに頼んで配ってもらう
という工夫をすると良いです。
バンドマンやアーティストは、人見知りな人が多いです。このため、初対面のお客さんに積極的に話しかけようとはしません。
僕が見てきたバンドやアーティストも、自分が演奏する以外の時間は
・バンドメンバーや友達、ファンなど、身内とばかり話している
・楽屋にこもっている
のどちらかです。
だからこそ、あなたが自分から話しかけることで、「話しかけてくれたバンドの人だ」と、すごく印象に残るようになります。
そして、フライヤーから連絡先を教えてくれる可能性も、とても高くなります。
ライブの本番途中でフライヤーを渡す
僕がプロデュースをさせていただいている、弾き語りのアーティストさんがいます。
彼のフライヤーの配り方は、とても特殊です。
それは、
・ライブ本番の最中、MCの時間を使って渡す
というやり方です。
ステージ近くで見ているお客さんに声をかけて、
「このフライヤーを後ろの人に回してください」
と言います。
学校でプリントが配られ、後ろに回したという経験は、誰もが持っています。このため、抵抗なくお客さんはやってくれます。
また、この方法だと、お客さん一人ひとりに話しかける必要がありません。
僕も1000組以上が出演するライブを見てきましたが、このやり方をしている人はほとんど見たことがありません。
このため、とても印象に残ります。こちらも、とてもオススメの配布方法です。
実際、彼はこの方法を使って、良いときは客席にいる半分以上のお客さんからメルマガに登録してもらうことができたそうです。
ライブ本番の途中で配る、というこの方法、ぜひ試してみてください。
フライヤーの注意点:自己満足なフライヤーの落とし穴
ここまで紹介したポイントを押さえることで、効果的なフライヤーを作成することができます。
ライブをするごとに、あなたに興味を持ったお客さんの連絡先が増えていくことでしょう。
ただ、フライヤーには他にも落とし穴が存在します。
それは、多くの人がカッコいいデザインの、自己満足的なフライヤーを作ろうとしてしまうことです。
かくいう僕も、そうでした。
バンド活動をしていた頃は、業者さんにお金を払って、カッコいいフライヤーを作りました。
そして、共演したバンドや、ライブハウスのスタッフさんから、「武藤さんのフライヤー、カッコいいですね!」と言われては、ニヤニヤしていました。
でも、そこからファンが増えたのか?と言われれば、NOでした。
フライヤーをデザインしていると、自己満足に浸りやすくなります。
いつの間にか、カッコいいフライヤーを作ることが目的化してしまいます。
しかし、あなたがフライヤーを作成する目的は、
・お客さんが連絡先を教えてもらうこと
このたったひとつです。
この目的を、決して忘れないようにしてください。
そして、フライヤーを作成・活用する上では「投資になっているかどうか」を常に検証しなければなりません。
次は、これについて解説します。
バンドフライヤーが「投資」になっているかを常に検証する
バンドのフライヤーを作るのには、お金がかかりますよね。
まず、印刷費や紙代がかかります。また、誰かにデザインを依頼すれば製作費もかかります。
ここで、必ず考えるべきことがあります。
それは、そのお金がきちんと「投資」になっているか、ということです。
「投資」とは、簡単に言うと
・お金を使うことで、さらにお金を増やすこと
を指します。
ちょっとピンと来ないと思うので、あなたが考えなければならないことを一言で言うと、
フライヤーの製作費 < フライヤーを配ることで得られる収入
になっているかどうかを考えてください、ということです。
例えば、5000円かけてフライヤーを製作して配布するとします。
すると、それによってたくさんの人が連絡先を教えてくれる。そして、後日のライブチケットが、10000円ぶん売れる。
これは、5000円を使って、1万円を獲得しているという状態です。つまり、お金が増えている(=投資になっている)という状態です。
逆に、売り上げが4999円を下回ってしまうようだと、お金が減っているということになります。
つまり、投資になっているとは言えない状態です。
このような状況であれば、フライヤーの内容を早急に改善をしていく必要があります。
フライヤーをはじめとして、広告を出すあらゆる企業は、必ずこのような検証を行っています。
もしかしたらあなたは、「お金のことを考えるのはカッコ悪い」と思うかもしれません。
しかし、バンドや音楽でプロになるということは、そこでお金を稼いで食べていくということです。
なのに、お金のことを考えないというのであれば、趣味でやっていてくださいと言うしかありません。
このため、フライヤーから製作費以上の売り上げが上がっているか、常に確認しましょう。
バンドのフライヤー・ビラ・チラシの作成方法と配り方:まとめ
ここまで、バンドのフライヤーの作成方法と配り方を紹介してきました。
簡単にまとめると、
・フライヤーは、ライブを見てくれた人だけに配るようにする
・商品の紹介ではなく、プレゼントと引き換えに連絡先を教えてもらうようにする
・フライヤーを作るときは、「Fの視点」を意識する
・お客さんに直接手渡すか、ライブ中に配ると効果的
ということでしたね。
また、
・デザインがカッコいいだけのフライヤーを作ることを目的にしないよう注意する
・「フライヤーの製作費 < フライヤーからの売り上げ」になっているか常に検証する
ということも大事です。
長い記事でしたが、最後まで読んでくれてありがとうございました。
わざわざ読んでも、ほとんどの人はめんどくさがって、やりません。
しかし、あなたはそうではないと思いますので、早速次のライブから実行に移してくださいね。
このサイトでは、他にも音楽でプロになる・ファンを増やすことに役立つ記事を掲載しています。
また、無料のメール講座では、7時間11分を超える非公開動画でプロになるための具体的方法を解説しています。
気に入らなければ2秒で配信ストップできますので、こちらも登録してみてください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
あなたを応援しています!
武藤
