僕は、プロのミュージシャンを育成するスクールを運営しています。
このとき、ピアノは独学でも上達させられるのかをよく相談されます。特に、大人になってから始める人や、初心者からよく聞かれます。
僕自身、ピアノは独学で練習していた期間もあります。また、先生から習っていた期間もあります。
また、両方を経験したミュージシャンとも、たくさんお会いしてきました。
これらの経験を踏まえ、ピアノは独学でも上達するのかについて解説していきます。また、独学のメリットや、教室で習うのとの違いについてもお話しします。
記事の内容を動画でも話しました。中央の再生ボタンを押してご覧ください。
もくじ
ピアノは独学でも上達できるのか
結論から言うと、ピアノは独学でも上達が可能です。また、大人や初心者でも全く問題ありません。
僕は、2011年の2月から音楽イベントを主催してきました。このなかで、ピアノを独学のみで弾いてきたミュージシャンも多くいました。
彼らも、質の高い演奏でお客さんを感動させていました。アンケートでも、高い評価を集める人も多いです。
本屋に行けば、ピアノの練習するために必要な書籍を購入することができます。
最近では、多くの人がインターネットでピアノの練習方法を公開しています。特に、YouTubeなどを使えば、ピアノの動画レッスンをたくさん見ることが可能です。
これらを活用することで、大人や初心者でも、一人でピアノを練習することができます。
独学でピアノを練習するメリット
ここからは、独学でピアノを練習するメリットを紹介します。
好きな曲を好きなだけ弾くことができる
あなたが、ピアノを弾きたいと思ったきっかけは何でしょうか。
ほとんどの場合、「自分の好きな曲をピアノで弾けるようになりたい」というのが動機だと思います。
しかし、教室で習う場合は、必ずしもあなたの好きな曲を弾かせてもらえるとは限りません。
基礎練習をさせられたり、課題曲を一方的に与えられたりする場合も多いです。
もちろん、先生はあなたの上達を第一に考えて指示を与えてくれます。しかし、好きな曲が弾けないことで、ピアノを楽しめなくなる人もいます。
独学であれば、自分の好きな曲を好きなように弾くことができます。
このため、上手くなることより、好きな曲の練習を楽しむことを重視する場合はオススメです。
(ただし、最近では好きな曲をすぐに弾かせてくれるピアノ教室も増えています。)
時間に縛られない
教室に通う場合は、レッスンの時間が固定されます。また、教室までの移動時間も確保する必要があります。
大人になってからピアノを始める場合、仕事や家庭などで忙しい人は多いです。このため、上手く予定を空けられるとは限りません。
独学の場合、自宅にいながら少しの空き時間に演奏をすることができます。このため、自分の都合に合わせて練習を進めることが可能です。
お金がほとんどかからない
教室に通う場合、月謝という形でお金がかかります。少なくても、月に1万円以上は支払うことになる場合が多いです。
しかも、それを何年も継続することになります。これを合計すると、数十万円や数百万円になる場合もあります。
また、必ずしも自宅の近くに教室があるとは限りません。多くの場合、交通費を払って教室へ通うことになります。
しかし、独学で習得する場合、これらの費用は一切かかりません。
お金がかかるとすれば、練習用の書籍や楽譜を購入する場合のみです。しかし、インターネットに頼れば、書籍すら購入する必要も無くなります。
独学でピアノを習得する場合、支出を大きく抑えることができます。
独学と習うこと、たった1つの違い
ここまで、ピアノを独学で習得するメリットを紹介してきました。
しかし、だからといって「ピアノを習うのは無意味だ」ということではありません。むしろ、習えるのならばそちらの方が良いです。
独学と習うことの違いは、たった一言で表すことができます。それは、「上達のスピード」です。
世の中には、たくさんのピアノ教室があります。もしも、習うことに何のメリットもないのであれば、誰も高い月謝を払って教室に通う人はいません。
多くの人が、独学よりも習う方が良いと感じているからこそ、ピアノ教室の経営が成立しています。
それでは、なぜ独学よりも習う方が、ピアノの上達は早まるのでしょうか。
それは、これから紹介する「独学のデメリット」を、習うことで解決できるからです。
ピアノを独学で練習するデメリット
個人に合った指導が受けられない
ピアノを上達させたいと考える人は多いです。しかし、その目的や、演奏したいジャンルは人によって異なります。
書籍やインターネット上の情報は、不特定多数の人に向けて作られています。このため、「あなた」に合わせて作られたものではありません。
また、初心者の場合、どれが自分に合っているのかが分かりません。
教室に通うことで、あなたの目的や演奏したいジャンルに合った指導が受けられます。このため、最短最速で上達を実現できます。
情報が多すぎて迷いが生じる
書籍やインターネットを使えば、ピアノの上達に必要な情報はたくさん得られます。
しかし、この状況には落とし穴があります。それは、情報があまりにも多すぎて、どれを信じれば良いのか分からなくなることです。
例えば、ある書籍では「このように練習してください」と書かれている内容が、他の書籍では完全に否定されている場合があります。
また、「何から練習すれば良いのか分からない」「次に何をすれば良いのか分からない」と迷子になりやすいです。あなたが初心者であれば、なおさらです。
このような状況では、練習を進める際に迷いが生じます。僕も、「この練習内容で良いのだろうか」と迷いながら練習するのは、本当に辛かったのを覚えています。
しかし、習う先生を一人に決めることで、この迷いから解放されます。
また、迷ったときはいつでも質問ができます。これにより、練習に集中しやすくなり、上達のスピードも上がっていきます。
演奏を客観的に聴くことができない
自分の演奏を、客観的に聴くことは難しいです。
僕も、独学では「自分は本当にきちんと弾けているのだろうか」と不安でした。このような気持ちを抱えながらでは、練習に集中しにくかったのを覚えています。
教室で習えば、常に練習の成果をチェックしてもらえます。そして、客観的なアドバイスを受けることができます。
ピアノでは、自分では弾けているつもりでも、実際には弾けていないというケースがあります。
独学であれば、これに気付かぬまま自己満足の演奏になる危険性があります。教室で習うことで、これを回避することができます。
モチベーションを維持しにくい
独学でピアノを習得する場合、練習へのモチベーションを維持しにくいです。
始めたばかりの頃は、誰でも「やるぞ!」という気持ちに満ちているものです。しかし、それを継続できない人は多いです。
特に、初心者は練習において壁に当たりやすいです。また、大人になってからでは仕事や家庭が忙しく、次第にピアノを弾かなくなる人も多いです。
ピアノは、日々の継続によって少しずつ上達します。このため、モチベーションを維持できないと、さらに上達も遅くなるという悪循環に陥ります。
逆に、教室に通うことで、モチベーションは維持やすくなります。
独学では、誰かに演奏を聴いてもらうことすら難しいです。しかし、習えば先生に見てもらうことができます。
例えば、上手く演奏できれば褒めてもらえますし、サボれば注意されます。これによって、練習に身が入ります。
また、教室によっては生徒同士の交流がある場合もあります。自分より上手い生徒の演奏を聴いたり、同じレベルの人と刺激し合うことでも、モチベーションが維持できます。
また、教室には数万円の月謝を払うことになります。このため、「練習しなければお金がもったいない」という気持ちにもなります。
このように、教室には独学と比較して、モチベーションを維持できる要因が数多くあります。この結果、上達のスピードが速まります。
ピアノは独学か習うべきかの結論
ここまで、独学でピアノを練習するメリットとデメリットを語ってきました。
大人や初心者でも、ピアノを独学で習得することは可能です。ただし、教室で習った方が、上達のスピードは圧倒的に早くなります。
このため、時間や金銭に余裕があって教室に通える場合は、独学よりもそちらの方が良いと言えます。
早く上達した方が、弾いていて楽しいですし。
この記事が、あなたの参考になればとても嬉しいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
