僕はライブの企画や音楽講師の仕事をしているので、よくアーティストの相談に乗っています。
その中で、特に歌手に多いのが
「自分の歌に自信が持てない」
という悩みです。
僕も、ソロ活動やいくつかのバンドで歌を経験してきました。
そのなかで、歌に自信を持てなかった時期はとても長くありました。
このときは、歌うことを楽しむことができず、とても辛かったです。
しかし、さまざまな方法でそれを克服することができました。
そこで今回は、あなたが自分の歌声に自信を持てない理由と、それを解決するための考え方や方法を紹介します。
記事の内容を、動画でも話しました。中央の再生ボタンからご覧ください。
もくじ
歌や声に対する自信の重要性
まず、歌における自信を持つことの重要性を話しておきます。
歌には、さまざまな技術があります。
しかし、今回のテーマである「自信」も、技術と同等かそれ以上に重要です。
なぜなら、自分の歌声に自信を持っている歌手の方が、聴く人を圧倒的に感動させることができるからです。
例えば、僕は2011年の2月から、たくさんの歌手が出演するライブを制作しています。
このとき、
「歌に自信はないのですが…」
と言ってから歌い始める人がいます。
しかし、これはレストランで料理を運んできた店員さんが
「味に自信はないのですが…」
と言っているようなものです。
これでは、せっかくの美味しい料理もまずく感じてしまいますよね。
逆に、「当店の自信作です」と言って、堂々と料理を出してほしいですよね。
また、自信のなさはパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
僕も、歌に自信を持てなかったときは歌っているときの表情が暗くなりがちでした。
また、大きな声を出して堂々と歌うことができませんでした。
これでは、お客さんを感動させることはできません。
このように、聴く人にとって魅力的な歌手になるためにも、自信を持つことはとても大切です。
歌や声に自信が持てない原因
ここからは、多くの人が自分の歌や声に自信を持てない原因を紹介していきます。
自分の耳が肥えてくる
歌の練習を始めると、音楽を聴く耳が肥えてきます。
まず、練習を重ねることによって、歌の難しさを身を持って体感することになります。
また、色々な音楽を聴くことによって、他人の歌唱を味わう能力が豊かになります。
そして、「本当にレベルの高い歌声」を、身をもって知るようになります。
この状態になると、次のようなことが起こります。
それは、「耳が肥えてくる」ということです。
例えば、僕には歌を始める前「この人の歌い方は完璧だ」と思っていた歌手がいました。
しかし、自分が歌を始めると、少しずつその人が完璧ではないことに気づくようになりました。
最終的には、「この歌手は高音が不安定」「ファルセットになると音程がずれる」など、細かい欠点が耳につくようになりました。
もしかしたら、あなたにも同じような経験があるかもしれません。
そして、これはあなたが歌手として成長している証であり、喜ばしいことです。
しかし、これには副作用があります。
それは、自分の歌声を聴く耳も肥えてくるため、あなた自身に対しても厳しくなりすぎてしまうということです。
これにより、自分の未熟な部分に気づきやすくなります。
結果、歌に自信が持てなくなってしまいます。
あなたは毎日の練習によって、一歩一歩確実に上達しています。
しかし、それと同時に耳も肥えてきます。
この結果、自分の演奏の粗い部分ばかりを気にするようになってしまうのです。
周囲の歌手と自分を比較してしまう
自分の歌声に自信が持てないもうひとつの理由は、無意識のうちに他の歌手と自分を比較してしまうことです。
あなたの学校や会社の中には、本格的に歌をやっている人はほとんどいないと思います。
このため、「歌が上手に歌える」というだけで周囲から「すごい」と言われます。
しかし、本格的に歌手活動を始めると、これが一変します。
まず、あなたと同じように歌手活動をしている知り合いが増えます。
その中には、あなたよりキャリアが長く、圧倒的に高い技術を持つ人もたくさん現れます。
そして、あなたに向上心があるほど、自分よりレベルが高い歌手と自分を無意識に比較しがちになります。
例えば、
「あの人と比べて自分の音域はこんなに狭い」
「あの人のように綺麗なファルセットが出せない」
などのような感じです。
僕も、ライブハウスなどで他の歌手を見るたびに、自分と比較して落ち込んでいました。
このように、レベルが高い歌手と自分を比較してしまうことによって、演奏に自信を持てなくなってしまいます。
本来、レベルが高い人と自分を比較することは良いことです。
しかし、それによって歌に自信が持てなくなってしまったら、これは良いとは言えません。
歌や声に自信を持てるようになる方法
それでは、歌や声に対して自信を持つには、どうすれば良いのでしょうか。
自分の歌や声に対してネガティブなことを言わない
歌や声に自信がない人には、共通点があります。
それは、自分の歌や声に対してネガティブな発言が多いことです。
例えば、
・歌は下手くそなんですけど…
・音痴なんで、恥ずかしいです
・自分の声が嫌いなんですよね
みたいな感じです。
もしかしたら、あなたもこんなことをよく言っていませんか?
自分の歌や声に対して、自信が持てなかった頃の僕もそうでした。
しかし、歌声に自信を持っている人は、誰一人としてこのようなことを言いません。
そこで、僕もあるときから、一切ネガティブな発言をやめてみました。
すると、少しずつ自信が持てるようになりました。
例えば、あなたの歌声のことを、「下手」「嫌い」などと言う人が周りにいたとします。
すると、その言葉がどんどん耳から入ってきて、どんどん自信が無くなってきますよね。
以前の僕は、自分で「自分は下手」「声が嫌い」などと口に出すことで、これと同じ状態を作り出していたように思います。
自分の発したネガティブな言葉が耳から入ってくることで、感情までネガティブになってしまっていたのです。
しかし、そういう発言をやめてみたところ、自分の歌声をポジティブに捉えられるようになりました。
そこで、仕事で出会った
「歌や声に自信が持てない…」
という人たちに同じアドバイスをするようになりました。
すると、効果を感じた!という人がたくさん現れました。
この方法は、あなた一人でも実践することができます。
いまこの瞬間から、実践してみてください。
あなたが歌を聴かせるべき相手を正しく理解する
耳が肥えてしまい、自分の歌声に満足ができない…
歌が上手な周囲の人と、つい自分を比較してしまう…
そんなあなたが忘れていることがあります。
それは、「あなたが歌で感動させるべき相手」です。
あなたが感動させるべき相手、それは一般人です。
決して、あなたのように歌をやっていて、耳が肥えている人ではありません。
この人たちを満足させることができれば、あなたは歌手として十分評価されることができます。
もしあなたが、ごく一般の人に歌を聴かせて「上手い」と言ってもらえるなら、それは十分自信を持つべきことなのです。
音楽に詳しい人や、何十年も歌をやってきた人など、世の中ではごく少数です。
この人たちを満足させる必要は、必ずしもないのです。
あなたの歌に対する自信を奪う人と距離を置くようにする
周囲にいる人が、あなたから歌に対する自信を奪っているということはないでしょうか?
例えば、僕が知っている歌手の人も、
・ボイストレーナーに、厳しい指摘をされすぎる
・家で練習していると、家族から歌い方の癖をからかわれる
という人もいました。
前者の人には、教室に通うのをいったん休むようにアドバイスしました。
後者の人には、実家を出て独立するようにアドバイスしました。
彼らは少し迷いましたが、僕のアドバイス通り行動しました。
すると、少しずつ歌に自信が持てるようになりました。
彼らと話すとき、だんだんと表情が明るくなっていったのを覚えています。
このように、もしあなたの歌に対する自信を奪う人とは、なるべく関わらないようにします。
これだけで、自分の歌に自信が持てるようになってきます。
歌に自信が持てるよう、自分の進歩を記録する
今まで全く歌をやったことがない人が、1か月後にプロ級の歌唱力を手に入れることはできません。
しかし、「自分の歌は少しずつでも上達している」と思えば、それは大きな自信に繋がります。
自信を持つためには、自分の上達をきちんと実感することが大切です
ただ、毎日練習する人であるほど、自分が上達していることに気づきません。
なぜなら、毎日自分の歌を聴いているからです。
これは、筋トレやダイエットと全く同じです。
毎日自分の身体を見るので、なかなか変化に気づきません。
しかし、久しぶりに会う友人などに「筋肉ついたね」「痩せたね」などと言われることで、はじめて変化に気づきます。
歌も、これと同じです。
僕も、自分の上達を実感できず、自信を持てずにいました。
しかし、部屋を片付けていたとき、たまたま1年前に歌を録音したCDが出てきました。
それを聴いてみると、「今の方が全然上手くなってるじゃないか」と思うことができました。
そこで、「自分は確実に上達している」と気づくことができて、とても自信に繋がりました。
あなたが進歩を実感するために大切なのは、定期的に歌を録音することです。
例えば、「毎月30日」など、歌を録音する日を決めるようにします。
そして、今月録音したものを、先月や半年前のものと聴き比べてみてください。
きっと、少しずつ上達していることが実感できると思います。
自信を持てない自分を責めず、評価される体験を積む
あなたが歌に自信を持てるのは、どういうときでしょうか?
おそらく、他人から歌を褒められたときではないでしょうか。
僕は、約5年ほど歌手活動をしていました。
最初は、歌っているとき「お客さんは本当に楽しんでくれているのだろうか?」と不安でたまりませんでした。
しかし、ライブ後にお客さんが歌声を褒めてくれるごとに、少しずつ自信が持てるようになりました。
いつしか、歌に自信を持ってステージに上がることができるようになりました。
このように、「聴く人から評価される」という成功体験を積むことによって、みるみる歌に自信を持てるようになります。
歌を始めたばかりのときは、この成功体験がほとんどありません。
むしろ、他人に対して歌を披露する機会もありません。
このため、自信が持てないことは当然です。
僕は当時、「なんで自信を持てないんだろう」と、自分を責めてばかりいました。
しかし、自分を責めたところで、自信を持てるわけではありません。
むしろ、さらに自信を失ってしまいます。
だからこそ、自信が持てない自分のことを責めないでください。
もし、今あなたが自分の歌に自信を持てなくても、「この先評価をされていけば少しずつ自信が持てるようになる」と発想を切り替えるようにしてください。
歌に自信を持つ方法:まとめ
ここまで述べたように、あなたが自分の歌声に自信を持てない理由は、
・耳が肥えてきて、自分の歌声の未熟な部分に気が付きやすくなる
・周囲にいる自分より上手な歌手と、無意識に他人と自分を比較してしまう
の2つです。
そして、歌に自信を持つための方法は、次の4点です。
・耳が肥えた人ではなく、一般人に評価されればOKと考える
・少しずつ他人から歌声を評価される経験を積む
・自分の歌を定期的に録音して、上達していることを実感する
・あなたの歌に対する自信を奪う人とは、なるべく距離を置く
僕はこれらを実行したことで、歌に自信を持てるようになりました。
また、僕がアドバイスした歌手も、これによって少しずつ自信を持てるようになっています。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。
