歌を上達させるには、ボイストレーニングに通うのが近道です。
しかし、たくさんの教室や先生が存在するため、選び方が分からないという人は多いです。
そこで、今回の記事では、ボイストレーニングの教室や先生の選び方を紹介します。
*この記事の内容を、以下の動画で話しました。中央の再生ボタンを押してご覧ください。
もくじ
発表会などで「生徒」が上手いかを判断する
ボイストレーニングの教室を選ぶときは、先生の歌唱力だけに耳が行きがちです。
しかし、教室を選ぶ際は、先生だけではなく生徒の技術にも注目してください。
いくら自分が上手くても、それをうまく生徒に教えられていない先生は多いです。
なぜなら、自分が上手く歌う技術と、他人の歌唱力を伸ばす技術は、まったく別物だからです。
私が歌を始めたころ、何件かの教室を見学しました。
そのなかで、とび抜けて気に入った先生がいました。
彼の声は、私が理想としていた声そのものだったのです。
その先生から、近々開催されるという教室の発表会ライブに誘われました。
私は、期待に胸を躍らせて会場へと向かいました。
しかし、生徒の歌声を聴くうちに、私の期待は見事に裏切られました。
なぜなら、発表した生徒のほとんどが、先生の発声を習得できていなかったからです。
逆に、音程が外れていたり、苦しそうに歌ったりする人も多かったです。
もちろん、その教室に通い始めたばかりなら、先生のように発声できないのは当たり前です。
しかし、発表した生徒の中には、すでに3年以上そこに通っている人もいました。
これを見て、私は
「自分が上手く歌うのと、生徒に教えるのは、まったく違うことなんだな」
と痛感したものです。
ボイストレーニングの教室を選ぶ際、生徒の歌唱力を意識する人は少ないです。
しかし、そこには先生の指導力が明白に現れます。
スポーツの世界でも、選手としては一流だったものの、コーチや監督としては成果を出すことができない人はたくさんいます。
このような先生に習ってしまうと、あなたの歌唱力も伸びない可能性が高いです。
教室を選ぶ際は、先生と1対1の体験レッスンを受けるだけではなく、グループレッスンや発表会の見学ができないか聞いてみると良いです。
これにより、生徒の技術が分かり、先生の指導力が判断できます。
「目的」と「ジャンル」に合った教室や先生を選ぶ
ボイストレーニングに通いたいと考える人は、全員「歌を上達させたい」と考えているはずです。
しかし、「歌を上達させる」と言っても、その目的は人によって違います。
例えば、次の2つがあります。
・プロの歌手になりたい
・カラオケで友達を驚かせたい
前者であれば、プロを輩出している講師から習うのが適切です。
後者であれば、「カラオケが上手くなる方法」を前面に押し出している教室が妥当でしょう。
また、あなたが歌いたい音楽のジャンルを考えておくことも重要です。
ポップス、ロック、クラシック、演歌など、音楽にはさまざまなジャンルが存在します。
そして、ジャンルによって推奨される発声は異なります。
このため、あるジャンルにおいては良いとされる発声が、他のジャンルにおいては推奨されない場合があります。
ボイストレーナーも、講師によって経験してきたジャンルが異なります。
したがって、先生がどのような発声を良しとするかは、彼が経験してきたジャンルによるのです。
また、ボイストレーナーは、自分が経験してきたジャンル以外の発声法には詳しくないことが多いです。
このため、自分が経験していないジャンルの発声法を教えることができません。
例えば、ポップスを歌いたい人が演歌の先生から習ったとします。
このとき、音程や声は改善されるものの、全くポップスに聴こえないということが起こります。
したがって、ボイストレーナーを選ぶ際は、あなたが歌いたいジャンルと同じ経験を持つ講師を選ぶ必要があります。
・自分が歌を上達させたい目的
・自分の歌いたい音楽のジャンル
「自分のやりたいこと」を明確にしてはじめて、目的に合った教室や先生を選ぶことが可能になります。
必ず複数の教室で無料体験を受ける
現在、ほとんどのボイストレーニング教室が、無料体験レッスンを提供しています。
体験するだけなら1円もかからないため、ぜひともこれを活用するようにしてください。
ただし、無料体験を受ける際には、注意すべき点があります。
それは、一か所でレッスンを受けただけで、そこに通うことを決めないということです。
初心者の場合、たった30分の無料体験を受けるだけで、驚くほど声を出しやすくなることは珍しくありません。
このようなときはまるで、講師の先生が魔法使いのように思えてきます。
このため、他の教室を検討することもなく「ここに決めた!」となりがちです。
しかし、待ってください。
他の教室は、もっと良いかもしれません。
あなたは、まだ他の教室の先生や、指導法を知りません。
必ず、いくつもの教室を見学するようにしてください。
これにより、さまざまな先生や指導法が存在することが見えてきます。
そして、そのなかから最も自分に合っていそうな教室を選ぶことが大切です。
ボイストレーナーは同じ性別の人を選ぶべき理由
基本的に、楽器は男女どちらが演奏しても、同じ音を鳴らすことができます。
しかし、声という楽器は例外です。
男性と女性では、声帯の特徴や音域が異なります。
つまり、異なる楽器を持っているようなものです。
このとき、出来るだけあなたと似た楽器を持っている人から教わった方が良いです。
したがって、あなたが男性なら男性、女性なら女性の講師から教わるのが望ましいです。
先生との性格的な相性はどうか
ボイストレーニングでは、先生と1対1、もしくは少人数のグループでレッスンを受けることが多いです。
もちろん、技術も大切ですが、人間としての相性もとても大切です。
同じ先生であっても、その人間性にほれ込む生徒もいれば、嫌う生徒もいます。
例えば、
「欠点を厳しく指摘してくる講師」
であれば、厳しく指摘されると気持ちが燃え上がる生徒にとっては、最高の先生です。
しかし、注意されると緊張したり、ネガティブな気持ちになったりしりやすい生徒にとっては、最悪の先生です。
どんなに技術や指導力が優れた先生でも、あなたと個人的に相性が合わない場合、上達が遅れてしまいます。
ぜひとも、性格的な相性も重視して教室や先生を選ぶようにしてください。
質問を嫌わず、分かりやすく答えてくれる先生を選ぶ
ボイストレーニングを受けるメリットとして、練習などで生まれた疑問点を質問し、即座に解決できることがあります。
しかし、講師の中には、質問に対してきちんと答えられなかったり、煙たがったりする人もいます。
このため、無料レッスンの段階で、この点を見極める必要があります。
質問の内容は、技術的なものはもちろん、
「先生が指導したなかで、プロになった人はいますか?」
など、講師の実績に関するものでもOKです。
質問を煙たがったり、そもそも質問をしづらい雰囲気を出してくる先生には、教わるべきではありません。
経験豊富な講師であれば、分かりやすく質問に答えてくれるはずです。
この記事では、ボイストレーニングの教室や先生を選ぶ際に参考となる材料をいくつか紹介しました。
ぜひとも、これらを頭に入れた上で、最高の先生を見つけていただけたらと思います。
GOOD LUCK!
武藤
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