歌やボーカルを上達させるうえで、腹式呼吸のトレーニングはとても大切です。
腹式呼吸の使い方をマスターすると、歌が上手くなったり、高音域が発声できるようになったりします。
しかし、どのように練習すればいいのか、そのやり方が分からない人は多いと思います。
そこで、今回は腹式呼吸の使い方を練習する方法と、必要なコツを紹介します。
腹式呼吸のトレーニングをする際は、まずは声を出さずに息のみで行います。
そして、コツをつかんだら、ようやく実際に発声をして練習をするようにします。
自宅でもできる練習法ですので、ぜひ試してみてください。
もくじ
腹式呼吸のトレーニング1:横になった状態で練習
普段の生活では胸式呼吸の人でも、睡眠時には必ず腹式呼吸になっています。
ぜひ一度、家族や友達が寝ているところを観察してみてください。
息を吸うとお腹が膨らみ、吐くと凹んでいることが分かると思います。
睡眠時と同じ身体を横たえた姿勢は、最も腹式呼吸をしやすいです。
そこで、腹式呼吸のやり方をマスターする第一歩として、横になった状態での練習を行います。
まず、ベッドや布団の上で横になります。
そして、お腹の上に手を当てます。
この状態で、「スー」という音を出しながら、ゆっくりと息を吐いていきます。
*「S」の音を意識してください。
このとき、きちんとお腹を凹ませながら行うのがコツです。
すべての息を吐き切ったら、そのまま5秒間停止します。
5秒経過したら、お腹を楽にして息を吸います。
すると、特に「息を吸う」という意識を持たなくても、自然と息が吸い込まれたと思います。
これが、腹式呼吸における筋肉の使い方です。
腹式呼吸で息を吸う際は、鼻からでも口からでもOKです。
このとき、お腹が自然と膨らむことがコツです。
腹式呼吸のトレーニング2:立った状態で練習
寝た状態での腹式呼吸をマスターできたら、次は立った状態での練習を行います。
まずは、最も声を出しやすい姿勢を作ります。
立って歌う際の姿勢のポイントは、次の4つです。
・両足を肩幅と同じ広さにして立つ。
・背筋を伸ばし、両腕は下に垂らす。
・重心を少しだけ前にする
・目線は、正面を見る
出来れば、全身が写る鏡の前に立ってこれを行います。
まず、親指と人差し指で、輪っかを作って口の前に持ってきます。
そして、口を丸めて輪っかの中に入れます。
再び、「スー」という音を出しながら、ゆっくりと息を吐いていきます。
すべての息を吐き切ったら、そのまま5秒間停止します。
5秒経過したら、お腹を楽にします。
先ほどと同じように、特に「息を吸う」という意識を持たなくても、自然と息が吸い込まれたと思います。
この場合も、息を吸うのは鼻と口どちらでもOKです。
このとき、いくつかコツがあります。
まず、きちんとお腹が膨らむことを確認してください。
ちょうど、お腹の周りに風船があり、それを膨らませるようなイメージです。
また、胸や肩が上がらないことを、鏡を見てしっかりと確認してください。
息を吸ったときに胸や肩が上がる場合は、腹式呼吸ではなく、胸式呼吸になってしまっています。
最初は、つい胸や肩が上がってしまうと思いますが、何度も繰り返すことでこれを防げるようになります。
腹式呼吸のトレーニング3:丹田を意識
次に、へそから指3本ほど下に位置する「丹田」を意識した練習法を行います。
まずは、丹田に指を当て、少しお腹の皮膚を内側に押し込んでください。
この状態で、この指を押し返すように意識しながら、息を吐いてください。
そして、吐いたら吸う、吐いたら吸う、を繰り返してください。
この「指を押し返す意識」をマスターすると、腹式呼吸を使って安定した歌声を出せるようになります。
また、丹田に力を入れることで、高音を出す際なども喉に力が入らなくなります。
腹式呼吸のトレーニング4:ロングトーンを使った発声練習
息のみで行う腹式呼吸の練習に慣れたら、今度は実際に声を出してみます。
これには、一つの音を伸ばす「ロングトーン」と呼ばれるトレーニングのやり方が適しています。
あなたにとって高すぎず、低すぎず、出しやすい音程を一つ選んでください。
そして、その音程の声を出しながら、同じ息の強さで最後まで吐いていきます。
多くの場合、息を使い切るあたりで、声の強さが変化したり、安定感が無くなったりします。
しかし、最後まで一定の強さで声を出せるように、何度も練習してください。
このとき、胸や肩ではなく、きちんとお腹が動いていることを確認してください。
ロングトーンを使ったトレーニングは、なかなかコツをつかむのが難しいです。
私も、毎日自宅で練習していたのですが、とても苦労しました。
しかし、何度も繰り返し練習を行うことで、必ず腹式呼吸に慣れてきます。
ステップ5:普段から腹式呼吸を心掛ける
ほとんどの人は、日常生活を胸式呼吸で過ごし、歌うときだけ腹式呼吸をしようとします。
しかし、人生は歌わない時間の方が長いです。
このため、歌うときだけいきなり腹式呼吸をしようとしても、なかなか切り替えることができません。
そこで、歌を練習するとき以外も、常に腹式呼吸をすることを心掛けるようにしましょう。
人は忘れやすい生き物なので、壁や机に「腹式呼吸」という貼り紙をはっておくくらいのことは必要でしょう。
今まで胸式呼吸で生活してきた人ほど、腹式呼吸を習慣づけるのには多大な時間がかかります。
しかし、一度習慣になってしまえば、まったく無意識のうちに行うことができるようになります。
まとめ
今回の記事では、腹式呼吸の使い方のコツと、5つの練習方法を紹介しました。
・横になった状態での練習
・立った状態での練習
・丹田を意識しての練習
・ロングトーンを使った練習
・普段から腹式呼吸を心掛ける
腹式呼吸を練習すればするほど、歌は上手くなり、高音も発声できるようになります。
他にもさまざまなメリットがありますので、ぜひともやり方をマスターするようにしてください。
私の記事を読んでくださった、あなたの成功を心から祈っています。
GOOD LUCK!
武藤
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